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シャイニー・ストッキング(Shiny stocking) ライナーノーツ

Metamorphosis-One
カバーソング
カウント・ベイシー楽団の名曲をコーラス用にアレンジしたカバーソング。

 お気に入り千夜一夜 いばらのファルセット


【ビッグバンドに憧れて】
ライナーノーツ シャイニー・ストッキング この曲はSwingジャズ全盛期に一世を風靡したカウント・ベイシー楽団のレパートリーでアルバム「Basie in London」に収録されている曲です。個人的に大好きな曲で、「Basie in London」の録音はビッグバンドの醍醐味を十二分に味わえる秀逸な作品です。ビッグバンドは学生の頃から好きだった訳ですが、この「Basie in London」のアレンジをそのまま生かしつつコーラス用に作り直したら素敵な作品になるんじゃあないかなあと昔から思っていました。

【マンハッタン・トランスファの演奏を待ち焦がれたが..】
 僕の好きなコーラスグループの「マンハッタン・トランスファ」(超絶なテクニックを持つコーラスグループ)がいつかやるんじゃないかなあと期待していましたが、いつまで待ってもやってくれないので自分で「マンハッタン・トランスファ」が作ったらきっとこうなるんじゃないかなあと想像しながらアレンジしてできた作品です。昔からこの曲は好きで、学生時代に女性2人と3人のコーラス・グループを組んでこの曲を練習したりしましたが長続きせず、コーラスの譜面は長い間お蔵入りとなっていました。

【お蔵入りの譜面を引っ張り出して..】
 しかし、この譜面が活躍するときがやってきました。最近のPCの進歩により多重録音が安価にできる時代となり、MIDIでベイシー楽団の伴奏を作り、その上にコーラスを重ね合わせるということもできるようになったんです。なにしろ、20年来の夢が叶うとあってはじっとしていられません。早速、MIDIなどの機材を買い込み「Basie in London」の「Shiny Stocking」に限りなく近い音を作ってみようと音楽活動を再開しました。MIDIでバンド演奏を作ってみます。この頃はまだMIDI初心者なので凝ったつくりには出来ませんでしたが、ピアノのフレーズをはじめとして、ドラムのオカズ、ブラスのバッキングフレーズなどのバックのかなり細かいところまで「Basie in London」の演奏を聴きまくってできるだけ似せるようにして作りました。しかし、うまくいかないところも色々出てきました。

【うまく作れなかったブラス・セクション】
 特に、ブラス・セクションは「Basie in London」の演奏と聴き比べるまでもなく納得できません。何かオルガンみたいなブラスになってしまう。色んな音色を試してみて「シンセ・ブラス」の音にするとまあ許せる雰囲気になって加えてちょっとモダンな感じになるのがとても好い雰囲気なのでこの曲にはこれでいくことにしました。オリジナルとはなるべく忠実にの方針からはちょっと外れますがまだ未熟なためオルガンみたいなブラスしか作れないので致し方ありません。ただ、MIDIで生に近いブラスを再現することはできないかという課題に対しては、その後色々試行錯誤して取り組むことになります。(詳しくは音楽に魔法をかけよう・Midi上級テクニック〜リアルなブラスサウンドを作るをみてください。)

【そっくりに演奏することも楽しみの1つ】
 そんなこんなで、今は亡きベイシーに敬意を表して楽しみながら作ることができた気がします。「Basie in London」を何回も聴いたことがある人なら「あっ、あの演奏を再現してる!」と気が付いてくれるんじゃあないかな?

【コーラス・ボイシングを昔作ったまま再現】
 コーラスのボイシングは、20年前に作った譜面をそのまんま使いました。昔からの夢だったコーラスグループを自分ひとりの手で作り上げる。夢が実現できることが嬉しくて嬉しくて暇さえあればPCと格闘しこの曲を完成させた時の喜びと言ったらもう、自分しかわからないですが極上のごちそうを食べた気分とでももうしましょうか。生きてて良かったと心から思えた気がします。

【一人コーラスで感じた限界】
 ところで、この曲のコーラスは3声ですが、課題がありました。最後の「shiny,shiny〜」と歌う部分は僕の音域では高すぎて地声では出ない音域です。一人でコーラスを作るにあたってぶつかった最初の壁です。1オクターブ音域を下げ、パワフルに歌ってみましたが何故か納得がいきません。そこであまり得意でないファルセットを使って歌ってみることにしましたが、なかなかうまくいきませんでした。迫力がないというか、いまいちフィットしません。結局、或る日の録音が奇跡的にうまくできたので、それでようやく完成はできました。

【一人コーラスに必要なファルセット】
 それで、今後のことを思うとファルセットは、真剣に勉強する必要があるんじゃないだろうか?と漠然と感じるようになりました。僕の大好きなマンハッタン・トランスファは4声なのですが一人でやってみるには、女性の出す高い声も出せないと真似できません。ファルセットは、この頃うまく歌えませんでしたが、次第に本格的に練習してみようという気持になりました。オリジナルソングを一部ファルセットで歌ってみたりして少しずつファルセットを取り入れ、最終的にフィリップ・ベイリー(アース・ウィンド・アンド・ファイアのボーカリスト:ファルセットボイスの名手)みたいになりたいと思っています。多分、時間がかかるとは思いますが地道に努力したいと思います。


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