ライナーノーツ プレリュード・イン・E・マイナー ライナーノーツ プレリュード・イン・E・マイナー ライナーノーツ プレリュード・イン・E・マイナー ライナーノーツ プレリュード・イン・E・マイナー

プレリュード・イン・E・マイナー
(Prelude in E minor)
 ライナーノーツ

Metamorphosis-One
カバーソング
久しぶりに聴いたのがきっかけでアカペラでアレンジすることを思いつき作りはじめたショパンの名曲。

  お気に入りの音楽千夜一夜


【ショパンの名曲に胸きゅん】
ライナーノーツ プレリュード・イン・E・マイナー  久しぶりにクラシックのピアノの演奏を聴く機会に恵まれたのですがそれがきっかけで胸きゅんになってしまいました。同じようにピアノで弾きたくなり譜面を買い求め夜な夜なピアノを弾いている内にこの雰囲気でアカペラでやったらかっこいいんじゃないかと思いついて作り始めました。この曲、オリジナルの譜面は何故か物凄く短い。2分ありません。ポップス並の短さです。それとショパンにしては比較的簡単に弾けます。本職のピアニストの人に言わせれば簡単な譜面だからこそうまく弾こうとすると難しいんだぞと指摘されそうですが...僕の場合楽しめればいいのです。

【七色変化のコード進行】
 ピアノを弾いていると色々なことに気が付きました。この譜面は実によくできています。曲が進むにつれ1、2拍毎に和音を構成しているどれかの音が1つ半音下がりどんどん違う和音に変化していきますがその変化の様が実に見事だと思います。コーラスの響きだとどんな感じなんだろうと思い始めるといてもいられなくなってしまいました。加えてこの曲の短さが気に入りました。僕はもともと多重コーラスでアカペラを作ってみたいという思いが昔からあり歌の実力が備わったら作ってみようと思っていたのですがこの長さなら今の僕の実力でも何とかなりそうです。そう思い始めるとやりたい気持ちがよけい膨らんできました。

【アレンジを考える】
 さて次はこの曲を自分なりにどう料理するかです。ショパンに敬意を表してこのオリジナルの譜面をそっくりそのままコーラスでやってみるというのもいいかもしれませんが全体的に音域が低くそのままやってもコーラスではあまり映えないような気がしたのでメロディ以外は自分で作った方がよさそうです。オリジナルの譜面からコードにするとどんな進行になるのか確かめてみましたがなかなか渋いコード進行です。そのコードを元にボイシングを考えました。転調してみようかとも考えましたがメロディの音域がかなり広くて十分高い音を使っているので転調すると高い声がでなくなってしまいそうです。結局オリジナルのキーのまま作ることにしました。しかしこのメロディはピアノで弾くならどうってことないのですが歌うとなると非常に歌いにくいです。音が飛びまくるのでかなり練習しないとうまく歌えそうにありません。

【コーラスのボイシングのリズム】
 コーラスは4声で作ることにしました。メロディで1声使うので3声で伴奏するボイシングを考えることになります。2声目は8分音符の頭、3声目は8分音符の裏、4声目は複合のリズムで作ってみることにしました。途中2声目は2拍3連のリズムを織り込んで変化をつけようとか色々考えながらボイシングしてみました。うー、楽しくなってきましたよ。

【リズムの緩急をつける】
 ボイシングは割りと簡単に作れたので早速録音です。アカペラなので伴奏はありません。多重録音するのでタイミングを合わせるためにMIDIでガイドラインになる伴奏を作りそれに合わせて録音しようと考えました。MIDIの伴奏を作っている時に気が付いたのですが、この曲は一定のテンポで流してしまってはつまらないということに気がつきました。この譜面を実際に演奏しているピアノをよく聴くと微妙にリズムが揺れています。大体2小節単位に急緩を繰り返しているようです。じゃあ、MIDIの伴奏に反映しようと思いリズムを揺らし始めたのですがこれがなかなかうまくいかない。結局、2,3日かけてようやく仕上げることができました。

【昔描いた夢を思い出す】
 待ちに待った録音の日がやってきました。こういう日はほんとにワクワクします。録音を始めて気が付いたのですがこの曲はロング・トーンが多い分ロング・トーンしている時の音量の抑揚に気をつけてうまく歌えればより映えるようです。調子に乗って色んなところで抑揚をつけて録音してみました。いつもコーラスを録音する時は低い声部から入れ始めメロディを最後に録音しますがこの曲のアレンジは違和感なく録音済みの3声を聴きながらメロディを歌うと気持ちい〜い。たまりませんなあ...一昔前には多重録音しようと思ったら高価な機材が一杯必要で僕みたい人には敷居が高かったんです。今思えば録音環境の向上に感謝したい気持ちで一杯になります。特にこういう日はよけいそう感じますね。

【家に帰って気付いた現実の厳しさ】
 しかし、家に帰ってMIXを作り始めて嫌なことに気がつきました。抑揚をつけるために力を入れて歌うところが音程がずれてしまっている!明らかにフラットしてしまうようです。力を入れても音程が変わらないように歌うにはまだまだ修行が必要なようです。僕は歌の先生はいませんが録音したものを聴いて今度はこうしようああしようと考えることが一番勉強になるような気がします。少しずつですが自分の録音を聴き続けることをするとまだ色んなことに気が付きます。気が付くと今度はこう歌ってみようとか色々考えて試してみるってのも結構楽しんでいる気がします。いつの日か自分の録音を聴いて満足できる日が来るのだろうかと考えるとちょっと天を仰いでしまいますがまあ気長に頑張ろうと思います。

 
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