闇のドルチェ(Dark dolce) ライナーノーツ | Metamorphosis-One オリジナルソング |
いつもは忘れているけどふと意識することのある僕の本能。自分の好きなように変わることはない不変のもの。暗い側面は多いけど自分を見失った時必要になるかも。 歌詞を見る | |
【バイオリンの伴奏】
【サウンド・フォントでこの曲を作る気に..】
ところがあるきっかけでハードルが1つ取り除かれこの曲を作ってみようという気持ちが急に満ち溢れてくることになります。そのきっかけとはリアルなバイオリンのサウンド・フォントを手に入れたこと。「振り返ると」のライナー・ノーツに詳しく書きましたがリアルなストリングス・アンサンブルを作ってみたくてその結果かなりリアルなバイオリンのサウンド・フォントを手に入れることが出来ました。この音を使えば2つ目のハードルはクリアできそうです。そうなるとハードルは1つとなり現実味を帯びてきます。クラシック色の強いアレンジは確かにあまり経験がありませんがやってみれば意外にうまくいくかもしれません。ということでできないだろうと諦めていたことができそうだとなってきて取り組む気持ちが段々膨らんできました。そういう背景があってこの曲に取り組み始めたという訳です。
【バイオリンの伴奏は苦労した】
僕の従来作ってきた曲と比較するとこの曲は随分勝手が違います。まず伴奏がバイオリン1本のみということが挙げられます。イントロはバイオリンのみで始めるのですがどんなフレーズにすればいいかさえ思いつきません。手に入れたばかりのリアルなサウンド・フォントの音で遊んでいるうちに色々フレーズが思い浮かぶようになってきました。で、歌が入る直前の強烈なバイオリンのフレーズを入力します。ここまで作ってみてうまくいくかもしれないという予感がしました。最初思いついた時のまま伴奏を敢えてバイオリン1本にしてしまったことが幸いしたかもしれません。よい伴奏パターンを思いつけば他の楽器との兼ね合いも気にする必要はありません。作り始めるとどんどん出来上がり思った以上に早くMIDIの伴奏を作り上げることが出来ました。あまり経験がないのでもっと苦労すると思い込んでいた訳でなにしろやってみてよかったです。これでアレンジの間口が少し広がったかも。
【ポリリズム】
バイオリンの伴奏が出来上がると今度は早くコーラスを録音したくなってきます。この曲はバイオリンの速い6連符の上に4連符で作られたフレーズのコーラスが乗る構成です。しかもバイオリンは同一のフレーズを延々と繰り返しいわばペダルトーンのような感じで弾きそこにコーラスでどんどんコードが変わっていくハーモニーをつけてみようと思いました。コーラスにどんなハーモニーをつけようか思い浮かびません。2日ぐらいうんうん唸ってボイシングを作りましたが凝りに懲りまくったボイシングになってしまいました。ほんとにできるんかいなと思いましたが2時間内(僕がいつも借りるスタジオの時間)でなんとか初回のコーラスパートを録音することができました。6連と4連の複合リズムも曲のテンポが速いことが幸いしたのかそんなに苦労せず入れることが出来ました。
【本能がテーマ】
この曲のテーマは本能。本能は生まれつき持っているものなので自分自身嫌いなところがあっても取り替える訳にはなかなかいきません。まあ、DNAのようなものなのでそこを変えてしまったら自分らしさを見失ってしまう気もします。でも、自分の気に入ったものに変えられないとわかっていても心の中では葛藤します。僕自身も例外ではなくなんて嫌な奴なんだと自問自答することもあります。この差が大きい人は毎日がとても辛い思いをするでしょう。精神の状態が悪いと自分自身が持っている本能が疎ましくなりとても暗い気持ちになったりします。そういう僕自身の本能をテーマにしているので心の内をさらけ出している歌詞になってしまいます。ちょっと恥ずかしいですが共感してくれる人はきっといるだろうと思い作ってみました。