【ミキサーを最適に調整した?つもりが..】
Metamorphosis-Oneです。良い音楽作ってますか?音楽を作る時に必須となるのが音を録音すること。何を当たり前のことをいっているんだと怒らないで下さい。僕自身この当たり前のことで不適切な設定をしたまま長い間気づかず音楽を作っていたという失敗談をお話したいと思います。僕の場合、音楽を作る過程においてMusic Studio Standard(以下MSSと略す)というシーケンサ・ソフトを使って録音し作品を作っています。ここで録音に関係してくるのがミキサーの設定です。初めてパソコンで録音してみようと試みた時なかなか音がでなくて苦労した覚えがあります。貴方の場合どうでしたか?この後、ミキサーの設定をわからないなりにいじりまくり自分なりに最適な設定をしたつもりでした。しかし、知らないということは恐ろしい。最適な設定が実は最低の設定をしていたという実例です。
【録音結果のレベルで沸き起こった疑問】
いつものように作品を作っていてある日、素朴な疑問が沸きました。僕が作品を作る時は、ボーカルで1トラック、ドラム+ベースで1トラック、その他のバンド演奏で1トラックの3トラックを同時に再生して最終トラックに録音します。その日は新しい試みとして製作中の曲の最終トラックにマルチバンド・コンプレッサをかけてどんな音になるか試してみようと、さらに1トラック増やしてマルチバンド・コンプレッサをかけた結果を録音しました。ここで1つ、素朴な疑問がわきました。それはマルチ・バンド・コンプレッサをかける前の波形に比べて明らかにかけた後の波形の音量が小さいのです。トラックの音量を上げれば良いのですが毎回調整しないといけないのは効率的ではありません。エフェクトはかけるにせよマルチバンドコンプレッサをかける程度なので大幅に音量が変わるわけでもありません。この値にすればピッタシ同じ音量レベルになる値を知っておくべきだと思い色々試行錯誤しましたが録音の音量に影響する設定は意外に沢山あります。どれをどう設定すればよいのかわからなくなってしまいました。
【最適な録音レベルが何故大事か】
それと、別に小さく録音されてもノーマライズすればいいじゃんとおっしゃるかもしれませんが、ノイズ成分が増えることになり好ましくありません。ノイズで戦うで書いたwaveファイルを選択すりゃいいだろうとおっしゃるかもしれませんがその前のノイズレベルは低いに越したことはないのです。僕のように多重コーラスで作品をつくる場合何回もトラックを重ねて作品を作るためヘタにMIXを作るとあの忌まわしい「サーノイズ」が取りきれない場合も出てくる場合があります。そうするともう一度MIXを作り直しする必要がでてきたりします。なのでちょっとこだわってしまうのです。
【悩み多きプチ・ノイズ】
もう1つこだわる切実な問題があります。このような適当な設定を続けている限り付きまとうのがプチノイズです。曲によってプチノイズを知らず知らずの内に録音してしまう恐れがあるのです。完成してからよく聴くとプチノイズがはいっていたという経験ありませんか?プチノイズは僕自身どうして発生するかイマイチつかみきれていませんが、録音レベルの調整をミスるのが最も大きな原因じゃないかなと思うのです。MSSにはクリップ防止機能がついているはずなのですが、何故かプチノイズが録音されてしまうことがあります。同音量の設定を把握していればプチノイズが混入するケースを大幅に減らせられるんじゃないかという期待が持てます。そういう意味でも僕にとっては切実な問題なわけです。
【実験してみて氷解した積年の疑問】
正しい設定を追求しようと色々調べましたが結論がだせず結構長い時間が経過しました。このままでは永久にわかりそうにありません。ミキサー設定の画面と睨めっこして改善策を考えることにしました。話をなるべく単純にするために新たにMSSのプロジェクトを作って極く短いテスト波形を録音し、実験してみることにしました。僕のパソコンはサウンド・ブラスタが搭載されているため下のような画面でミキサーの設定をします。
ここでインプットレベルは、録音する時の音量を加減できます。僕は当然100%に設定すれば良いと考えて設定していましたがこれが実は大きな間違いでした。この辺の設定に問題がありそうであることは理解できましたがさて具体的にいくつの値にすればよいのかさっぱり検討がつきません。色々画面を触っているうちにプリセットが用意されていることに気がつきました。上部の「Super-Environment Presets」というところです。ここの内容をみると「Edit Basic Digital Audio」だの「Play CD Audio/MP3」など音楽を楽しむ用途に応じた音楽環境を整える設定ができるようになっているみたいです。早速、「Edit Basic Digital Audio」を選択してみるとwaveのインプットレベルが62に変化しました。62という数字はなんか中途半端な気がしましたがこの設定で試しにテストの前と後の波形を比較してみました。見事に前後の波形のレベルが一致しています。「おお、これが正解だぁ!」と積年の疑問が氷解しました。僕のパソコンの場合は62%が正解です。これを割り出すまでに実に多くの時間を費やしてしまいました。判ってしまえば簡単なことですが、知らないということは恐ろしいことです。録音の知識は皆無に等しい僕にとってはこの録音レベルの挙動は恐ろしく判りにくいものでした。元々インプットレベルとアウトプットレベルがどういう働きをするか良くわかっていないので色々いじってみてもイマイチ傾向が掴めず途中で何回諦めたことか....
【録音に影響を与えるパラメータは沢山ある】
ところが話はこれで終わらない。もう一悶着ありました。笑)
次に試したのは上で説明した曲のマルチバンド・コンプレッサをかける前と後でも同じ音量の波形になるはずです。ところが試した結果は、同じどころかさらに音量が小さく録音されてしまいました。「なんじゃこれは、どうしてだ」とまた迷宮入りになりそうで泣きそうになりましたが、少なくともテスト用のプロジェクトでは確かに同じ音量の波形になった実績があります。ちょっと冷静に考えてみました。他に録音に影響しそうなところがあるんじゃないかと考えて、テスト用のプロジェクトとうまくいかなかった曲のプロジェクトの設定を見比べてみることにしました。それで第二の疑問が氷解しました。比較して見るとテスト用プロジェクトはマスタトラック、録音対象トラックともボリュームが192(規定値)になっていますがうまくいかなかったプロジェクトのほうは適当な値に変更してあることがわかったんです。わけもわからずいじってしまったことが災いしたようです。2つ原因があったので問題が複雑になっていたんだと気づきました。
【まとめ】
教訓として整理すると、
1)ミキサーのインプットレベルはいじらない。(62%固定にする。)
2)プロジェクトのボリュームもいじらない。(192固定にする。)
3)音量の調整をしたい時は録音したいトラックのボリュームのみで
調整する。録音レベルを同音量にしたい時は192にする。
ということで決着しました。こんなことを悩んでいるのは僕だけかなあ。
レベルの低い話と笑わないで下さい。長いこと悩んだ末、一発で同音量の
録音レベルを設定する方法をつかむことが出来ました。少しは、これで早く
曲の製作ができるようになると思うと苦労した甲斐がありました。
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