音楽に魔法をかけよう
1.8)音が遠くに聴こえる~距離感を感じた時 距離を操作する魔法を会得しよう
ダイナミクス・チェンジで距離を操作し主張したい音だけを際立たせる魔法を会得しよう。
【距離感で音を目立たせる】
いい音楽作ってますか!音の距離感 を感じる時ってありませんか。僕の場合、ボーカルを録音し始めた時にたまに感じることがありました。歌を歌う場合音程が低いと音量は割と調整しやすいですが高い音域になるに従い小さく歌うことが段々難しくなります。高い音域を歌う時は、ちょっとマイクから離して歌えば音量的にはバランスが取れますが遠くで歌っている距離感も録音されてちょっと違和感を感じる のです。もっと間近で聴こえたらいいのにといつも思っていました。この違和感を何とか解消する方法はないのかと思い悩んでいる貴方!かなり色々な録音技術を勉強しないとできないだろうと思い悩む貴方!ミュージック・マジシャンにかかれば、これは造作もないことなのです。あっという間に悩みを解消する方法をお教えしましょう。
距離感を気にするようになったキッカケ
僕が愛用しているシーケンサMusic Studio Standard(以下、MSSと略す。)の作者であるFrieveさんのホームページ を見ていてその具体的な方法が書いてあるのを見つけました。音の距離感を是正するには「ダイナミクス・チェンジ 」というエフェクタを使います。MSS以外のソフトは使っていないので詳しく判りませんが同様のエフェクタはMMS以外のシーケンサにも多分装備していると思うのでMMSを使われていない方でもすぐには諦めず探してみてください。MSSを使う前提で説明します。
実際の設定方法
具体的には以下のように設定します。
1)距離感を是正したいトラックに「ダイナミクス・チェンジ」をアサインします。
例えばボーカルを録音したトラック
2)設定を90%にします。
後は音を再生してみて下さい。今まで遠くに聴こえていた音が近くで聴こえるようになったでしょ。おいらの音楽は歌が入っていないので関係ないとおっしゃる貴方。それは、ちょっと早計というものです。僕がボーカルトラックに「ダイナミクス・チェンジ」をかけるのは、ボーカルを一番目立たせて いわば音に好ましい変化をつけよりレベルの高い音楽を作りたいからです。歌が入っていなくてもメロディを奏でる楽器はより目立たせて聴こえるようにしたいのではないでしょうか?距離感を是正するだけでなく自由に音を前に出したり引っ込めたりできるということです。そういう風にすれば平面的な音が立体的になってレベル・アップできる気がするのです。
距離感のない音
MIDIでの録音は生の音を録音することに比べたらはるかに高音質で録音が出来ますが逆に距離感を感じられないのっぺらぼうな音 ということもできます。以前、mp3.comという音楽サイトで活動していましたが(2003年12月でサービス停止となり、現在は存在しません。)ここで活動するミュージシャンに僕の曲を聴いてくれとメールを打ちお互いに自分の作った音楽を聴きあい意見交換するみたいなことがよく行われていました。僕も色んな人に自分の音楽を聴いてもらいましたが、たまに君の音楽はチープなMIDIで作られているので本物の楽器を使って演奏したほうがいいよとアドバイスをくれる人がいました。その時はよほど耳がいいんだな と感心してしまいましたが注意深く聴けばMIDIの音は距離感がないので本物の演奏とは雰囲気が全然違うことにそのうち気がつきました。まあ、僕の場合、そばに一緒にやってくれるメンバーはいません。集めることは殆ど不可能に近いのでMIDIを使って音楽を作り続けるしかありません。
アンプ・シミュレータという概念
でも、デジタル技術が進んだ世の中です。最近、アンプ・シミュレータ と称して名機といわれるアンプの音をシミュレートする製品が出回っているらしいです。ステージでの演奏の雰囲気をシミュレートしてして本物の演奏と聴き間違うぐらいの便利な機能が近い将来MIDIに備わると期待する今日この頃です。空間のシミュレートとまでは行かないにしろこの「ダイナミクス・チェンジ」をうまく駆使すればよりリアルな録音が出来るのではないかと思いつきました。
バンドがステージで演奏することを頭に思い描いてみてください。ボーカルは普通一番前で歌います。ギターやピアノはその後ろで演奏します。さらに、ベース、ドラムが後ろに控えています。以上3トラックに分けて、ボーカルにはダイナミクス90%、ギター類はかけない、ドラム、ベースはダイナミクス110%とすれば、多少臨場感が醸し出されるのではないかと期待できます。この手法はやり始めたばかりなので好ましい結果がでるかどうかは神のみぞ知るです。結果はおいおいページを追加して報告したいと思います。
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