キュート(Cute) ライナーノーツ | Metamorphosis-One カバー・ソング |
本来ドラムのブラシをフューチャーするために作られた曲。コーラスでいつか作ってみたいと思っていたが... |
【ドラムのブラシが活躍する曲】
この曲はスィング時代に作られた軽快な曲で2、4小節おきにブレイクが設定されていてここでドラムの華麗なブラシが活躍するよう元々作られた曲です。ベイシー楽団がやっていました。ベイシー楽団の演奏は軽快な感じのミディアムテンポ。もう1つこの曲で忘れられないのがオスカー・ピーターソン・トリオが演奏するもの。これがですねえ、超特急のような物凄い速さで演奏されるのです。ドラムのブラシ捌きはもう魔法を見ているような華麗なテクニックで演奏され見ているだけでも惚れ惚れしてしまいます。
【コーラスでやってみたいなあと思っていたが...】
この曲はオスカー・ピーターソンの演奏で小さい頃からなじみがあったせいか何度となく僕の頭の中で繰り返し演奏されました。思い出す度にこれをコーラスでやったらかっこいいのになあという思いが段々心の中で積もっていきました。機会があったらアレンジしてみたいなあってね。で、最近Lipsというコーラス・グループと縁があり4声でコーラスのアレンジをしてみようと思い立ったのですが一つ問題がありました。
【アレンジする際の問題点】
Lipsが実際に演奏する際伴奏はピアノ1台かベースとデュオという場合が多いです。ドラムがはいるのはまれです。ドラムが入るときだけこの曲をやるというのもちょっとさびしい気がします。どうしようと悩んでいる僕に突然天の啓示がぁぁ!$W?★!笑)...やってきました。それは、「別にドラムで埋めなくてもいいじゃん。」というお告げです。なるほどそれもそうだな。ということでやっぱし曲は尊重してブレイクはするのですがブレイクをピアノやベースのフレーズで埋めることで面白いアレンジができそうな気がしてきました。神様に感謝です。
【アレンジで新たに試みたこと】
この曲のアレンジで新たに試みたことがあります。それがブラス・アンサンブルを真似たコーラス・アンサンブルです。ビッグ・バンドの演奏を聴いているとサックス、トロンボーン、トランペットのそれぞれのブラス・セクションをフューチャーしたアンサンブルが必ず演奏されます。一番ジャジーで特徴的なところかもしれません。それをコーラスで真似てみるというわけです。勿論すでにこれをやっているコーラス・グループは多々ありますが極めつけは何といってもマンハッタン・トランスファの「フォー・ブラザーズ」ではないでしょうか。
【フォー・ブラザーズってだあれ?】
フォー・ブラザーズはビッグ・バンドの一つであるウッディ・ハーマン楽団のサックス・セクションの愛称です。そのアンサンブルは超絶技巧に裏打ちされた華麗な演奏をしたことで有名です。そのフォーブラザーズの華麗なアンサンブルを称えて曲ができてしまいました。曲名は同じ「フォー・ブラザーズ」。で、この曲がそのアンサンブルの華麗さをあますところなく発揮するこの楽団の十八番の曲になってしまいました。この楽団のサックス・セクションでなければ演奏できないような難しいフレーズを歌詞までつけて歌ってしまうのがマンハッタン・トランスファの「フォー・ブラザーズ」なんですね。機会があったら一度聴いてみてください。僕はこのコーラスを聴いて吹っ飛びました。貴方もきっと吹っ飛ぶことでしょう。ちょっと他のコーラス・グループでも簡単には真似出来ないのではないのでしょうか?
【で、僕のコーラス・アンサンブル】
「フォー・ブラザーズ」は真似できないにしてもあんな感じのブラス・アンサンブルをコーラスで一度は真似してみたい。コーラスをやったことのある人だったら一度は夢を描くんではないでしょうか。で、この曲で試してみようと思ったわけです。アンサンブルはきっちり1コーラス分作りました。計画倒れに終わると嫌なので最初は1コーラスだけにしようと思ったわけです。
【さらに悪乗りは続く】
さらに悪乗りして1つとんでもないことを考えています。オスカー・ピーターソンの演奏は先ほど超高速で演奏されると書きました。方やこのコーラス譜は想定は160ぐらいのベイシー楽団のテンポを想定して書きました。100ぐらいテンポを上げるとピーターソンが演奏しているテンポに追いつけます。100ぐらいテンポを上げても演奏できなくはない譜面です、コーラス・アンサンブルの部分も含めてね。一遍に100まで上げると辛いので1年経ったら50上げさらに1年経ったら50上げるという具合に速度を上げていったらLipsでうまくピーターソン並みの速度で演奏できるのではないかという悪ダクミを考えているのですがどう思います?無謀でしょうか。皆賛成してくれるといいけど。