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  第45夜 ダッタン人の踊り(Polovetsian Dance)

【ペダルトーンがいかしてるイントロ】
お気に入りの音楽千夜一夜 ダッタン人の踊り ボロディン作曲の歌劇「イーゴリ公」の中で演奏されるこの曲は、美しいメロディを持ち、TVのCMで使われたこともある有名な曲です。クラシックですが最初は延々とペダルトーンが流れ同じメロディが繰り返されるのですがここがちょっと気が効いていて同じメロディを繰り返す度にキーを転調して演奏されます。ペダルトーンはメロディが転調しても同じ音で演奏されます。普通に考えると不協和音になって変な感じになってしまいそうですが、これがなかなか不思議な雰囲気を醸し出しとても素敵なイントロに仕上がっています。


【この曲を聴いて思い浮かべるイメージ】
 この曲全体から受けるイメージは、ロシアというよりはアジアの大平原の景色が自然に思い浮かびます。とても雄大なイメージを感じます。実際に行ったことはありませんが、TVかなにかで見た映像が記憶の片隅に残っているのでしょう。そういう雰囲気を醸し出すのに一役かっているのがとうとうと流れるペダルトーンという気がします。ペダルトーンを実際に奏でているのは多分ホルンだと思うのですが8分音符でスタッカート気味に柔らかい感じの低音で奏でられます。この音自身が実に心地よいです。


【きっかけはTVのコマーシャル】
 僕の場合、TVのCMで初めて聴いてこの曲を知りました。ギターがメロディを取るちょっとジャジーなアレンジでしたが美しいメロディに心惹かれました。最初は、クラシックの曲とは知らず。ボロディンが作曲したことは後から知りました。オリジナルの演奏を聴いてみたいなあという気持ちがだんだん膨らんできたのでCD屋さんに探しに行くことにしました。ところが、この曲は別にヒットしている曲でもないので、この曲が演奏されているCDはなかなか見つかりません。色々なCD屋さんを回りましたが結局、銀座のかなり大きなCD屋さんでようやくみつけました。ところで最近はCDを探すのがとても便利になりました。インターネットを使えばすぐみつけられます。具体的にはCDサイトに行き、CDサイトには必ず設けられている検索機能を使って探したいCDのキーワード(アーティスト名、曲名、アルバム名等)を入力して検索すれば大抵のCDは見つけられます。一頃よりデータベースが充実してきていることを肌で感じます。望みのCDが見つかればそのまま、購入手続きをして即CDを購入できてしまいます。で、1週間も待てば確実にCDが自分の手元に届きます。最近はさらにメニューが充実して新品以外に中古でも購入できるようになっていて日を追う毎に便利になっていくようで実に快適な買い物ができる環境が整ってきたなあと思う今日この頃です。


【CDの買い方】
 というわけで最近はCD屋さんに行く機会はめっきり減ってしまいました。この前たまたまちょっと立ち寄ってみようかなと思い、足を運びました。そこで感じたのが、以前は感じなかった1枚、1枚CDをめくって探す行為がえらくかったるいものと実感しました。1枚めくる度にインターネットで検索したら瞬時にあるかどうかわかるのにとの思いがよぎってしまいます。でも、そう感じるようになった僕自身にもちょっと驚きました。というのもCD屋さんで1枚、1枚めくって欲しいCDを探すことは、決して嫌いではありません。たまに思いがけないCDを発見したりすると「おお、今日はラッキーじゃん。」と小さな幸せを感じられたりするので、たまにしてもいいなという気持ちを持っていました。そういう気持ちがもてなくなっている自分にちょっと驚いてしまったというわけです。


【探す手間は不必要なものか?】
 しかし、最近のCD屋さんは、昔に比べるとCDの扱い量がやたらと多くなって、フロアの広さにも圧倒されてしまいます。店にはいった瞬間、CDを探そうという気が失せてしまうように感じるのは僕だけかなあ。おまけに、便利なインターネット経由でCDを買うことを覚えてしまうともういけません。もう、CD屋さんには殆ど行かなくなってしまいますよね?でも、これでいいのかという思いが心のどこかで引っかかっています。ちょっと考えが古いかもしれませんが、何かあっけないというか手に取る実感が薄いというか....やっぱり苦労して手に入れたものというのはそれなりに持っているという充実感が違うような気がします。形あるものに係らず苦労して手に入れたものは、持っているものに対して愛情が沸きます。例えば、ピアノが弾けることは僕にとっては苦労して手に入れた自分の財産という思いがあります。ピアノのことを考える時、昔思い通り弾けなくてやけになったこととか、上手い人の演奏を聴いてあんな風に演奏できたらナと憧れたこととか色々な思い出が蘇ります。手に入れたものに対する思い出が多ければ多いほど愛情が沸き、大切に扱うことができるようになってくるのではないでしょうか。そういう気持はいつまでも忘れずに持っていたいものです。今日はこれでお終い。
では、また明晩お会いしましょう。


[関連情報]
作曲:ボロディン


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