【譜面で弾いて好きになった曲】
この曲は、ジャズのスタンダード・ナンバーですが、珍しく譜面で弾いて初めて知ったのがきっかけです。譜面はちょっと苦手なほうなので....ところでジャズのスタンダード・ナンバーはメロディ、コード、歌詞が記載された譜面集があります。俗に「1001」とか、「306」とかという名前で呼ばれています。この譜面集は見たことはあったので前からほしいなと思っていましたが普通の楽器屋さんにはまず置いてありません。この譜面集を手に入れたくて大学の頃サークルの先輩にどこに売っているか教えてもらって渋谷の楽器屋さんまで買いに行きました。
【ジャズの譜面集】
宮益坂の楽器屋さんだったと記憶していますが店名は忘れてしまいました。その店に「1001」も「306」もあるのを見つけてまるで宝物を見つけたような気持ちで買い求めた覚えがあります。「1001」、「306」という数字は譜面集に収録されている曲数を表わしています。それがそのまま譜面集の題名になってしまったというわけです。それからその譜面集をめくりながら曲を弾いているうちにこの「オール・ザ・ウェイ」に出会いました。僕の場合誰かが演奏しているのを聴いてお気に入りの曲を見つけることが多いです。譜面は苦手なので大抵は誰かが演奏したものを聴いてから譜面で弾かないとその曲のイメージが掴めず最初から譜面で弾こうとしてもうまく弾けません。が、先に書いたようにこの曲は譜面の苦手な僕が譜面で弾いただけで感じが掴めたのでピアノで弾くのに適した曲なのかもしれません。
【慣れてくると不満が...】
ところで、譜面集を買って暫くの間は喜んで弾いていたのですが少し慣れてくると色々気に入らないところが出てきました。まず譜面集につけてあるコードがそのまま弾いてもしっくりこない曲が結構あることです。この譜面集を買えば、自前で譜面を作る必要がなくなると期待していた僕にとっては大きな誤算でした。例えば、以前お話した「ニー・ゴー」のコード進行ですが、特に「1001」は古い曲が多いこともあり期待通りDm7 G7と書いてあることもあるのですが、あるところはF△7 G7とかF7 G7とか書いてあるところもあり譜面集を買った後も自前の譜面は今まで通り作る必要がありました。自前の譜面って何だと思う方がいらっしゃるかもしれないので説明しますが、「1001」と同じようにメロディ、コードを書き込んだ譜面のことです。どうしてそんなものを作る必要があるのか不思議に思われるかもしれません。色々事情があるんです。
【ジャズ屋は皆セッション好き】
ジャズ屋はみんなメンバーが集まるとセッションをやりたがる風習があります。というわけで、例えばアルト・サックス、ピアノ、ベース、ドラムスでセッションをやろうという話になった場合、大抵サックスの人がじゃあ「枯葉」をやろうよとかやりたい曲をいいます。そこでピアノの人がその曲やったことないとかいうとなかなかセッションが始められません。自然になるべく多くの曲を知っておこうという気持ちが働きます。そこで登場するのが自前の譜面です。特にジャズ初心者は経験が浅いので先輩や友人が持っている自前の譜面を借りて書き写すことを繰り返しレパートリーを増やしていきます。自前の譜面を作らないとセッションに参加しても演奏に参加できなくなってしまいます。自前の譜面が充実してくると急にこの曲やろうよと言われてもよく演奏する曲は譜面無しで弾けるようになったり曲数も増えるので大抵の曲は演奏できるようになってきます。
【譜面集の落書き】
ところで、慣れてくると同じように演奏するのが飽きてきたりしますよね。ようするに煮詰まってしまうわけです。ちょっと今までと違うアプローチで演奏をしたくなってきます。僕が試みたのは、曲のコードを自分なりにちょっと変えて演奏してみること。この遊びは結果的に長く続き今でも「1001」、「306」を引っ張り出して変なコードをつけてみようと遊んでみることがあります。おかげでどのページも僕の今まで試したコードの落書きで一杯です。買った当初は使い道に困った2冊ですが、今は僕の最愛のオモチャになっています。今日はこの辺でおしまい。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作詞:調査中
作曲:調査中