お気に入りの音楽 千夜一夜
【バースがついたビートルズの曲】
この曲はビートルズの中でも大好きなナンバーです。バース（主メロディにはいる前ぶれのメロディのこと）がついていて、主メロディよりこのバースのメロディのほうが好きかもしれません。この曲はよく聴くと音楽的には興味深い内容になっています。
【コーラスグループ：ビートルズ】
ところで、ビートルズってコーラスグループだって知ってましたか？この曲でも美しい３声のコーラスを充分に聴かせてくれます。あまりコーラスグループという視点で評価がされていない気がします。僕が聴く限りハーモニーは完璧で音程もしっかりしています。他のロック・グループでビートルズがデビューした頃、ここまでコーラスにこだわったグループはなかったんじゃないだろうか。僕が聴く限り作品の完成度は一段高いものを作り上げていた気がします。ところでこの曲は３枚目のLPに収録されていることもあって小さい頃から親しんで聴いていました。好きな曲なので色々もっと知りたいと思うのは人情でこの曲のコードはどんな風にできているんだろうということに興味が湧いてきました。そのころは、フォーク・ソングが流行っていたこともあり、覚えたてのコードを参考にしながら（Ｃmaj７とかＧ７ぐらいしかまだ知らなかった）この曲のコードをコピーしようと考えました。いまから考えるととほうもない時間をかけていろいろなコードを弾いてみておっ、このコードだと近い感じがするとか亀のようにのろい速度でコピーをした覚えがあります。僕が住んでいたのは愛知県の片田舎でしかも今のように譜面自体もあまりない時代だったのでそんなふうにするしか方法はありませんでした。
【コードの種類】
ところでコードの種類ってどれくらいあると思いますか。基本中の基本に厳選すると３音で構成するコードは２種類。４音で構成するコードが５種類の合わせて７種類のコードがあります。以下の表を見てください。
| 【３音で構成されるコード】 | |||||||||||||||||||||||
| No | コードの名前 | 表記 | 省略表記 | 構成音 | 備考 | ||||||||||||||||||
| １ | メージャー・コード | Ｃ | Ｃ | ド・ミ・ソ | |||||||||||||||||||
| ２ | マイナー・コード | Ｃｍ | Ｃ－ | ド・ミ♭・ソ | |||||||||||||||||||
| 【４音で構成されるコード】 | |||||||||||||||||||||||
| No | コードの名前 | 表記 | 省略表記 | 構成音 | 備考 | ||||||||||||||||||
| １ | メージャー・セブンス ・コード | Ｃmaj７ | Ｃ△７ | ド・ミ・ソ・シ | |||||||||||||||||||
| ２ | セブンス・コード | Ｃ７ | Ｃ７ | ド・ミ・ソ・シ♭
|
| ３
| マイナー・セブンス | ・コード Ｃm７
| Ｃ－７
| ド・ミ♭・ソ・シ♭
|
| ４
| ハーフ・ディミニッシュ | ・コード Ｃm７(♭５)
| Ｃφ７
| ド・ミ♭・ソ♭・シ♭
|
| ５
| ディミニッシュ・コード
| Ｃdim
| Ｃ°
| ド・ミ♭・ソ♭・ラ
|
| |
取り敢えず、Ｃの場合で表示しましたがこれ以外に後１１音（Ｄ♭、Ｄ、Ｅ♭、Ｅ、Ｆ、Ｇ♭、Ｇ、Ａ♭、Ａ、Ｂ♭、Ｂ）あるので基本コードの種類は（１＋１１）×７＝８４種類あるということになります。実際に演奏する場合は上の基本コードにさらにテンションという基本コードの構成音以外の音を加えて音をさらに豊かにして演奏されます。単純に組み合わせで言えばほぼ無数の組み合わせでコードを構成することになります。でも、大抵の世の中に流れている曲は上の７７種類で当てはめることができます。どうですか、貴方もお気に入りの曲のコードを７７種類の組み合わせから当てはめ遊びをしながら作ってみてはどうでしょうか？そんな暇はないって！そうですよね。コードの当てはめ遊びで喜びを感じるのは僕ぐらいかも知れませんね。
【味わい深いコード進行】
ところでこの「イフ・アイ・フェル」の冒頭のコード進行ですが上の７つのコードを使って次のように表すことが出来ます。
Ｄ－７ Ｄ♭７ ｜Ｃ Ａ－７｜Ｄ－７ Ｄ♭７｜Ｅ♭－７ Ａ♭７
このコード進行は実に味わい深いものがあります。最初の３小節はキーがＣで作られていますが最後の小節は半音上がってキーがＤ♭になります。このＤ♭に転調する部分を注意深く聴くと雰囲気がふわっと変わります。これがこの転調することによる効果だということを感じて頂けるのではないかな？
【不倫体験からできた曲】
このようにビートルズの曲のコード進行は先に紹介した「アイル・ビー・バック」も含めてよく考えられていて自分の曲を作るときの参考になります。ちなみに、この曲はジョン・レノンの手によるものですが自分自身の不倫を思い描いて作ったらしいです。だから、よけい情感みたいなものを感じるのかもしれません。今日は、これで御終い。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作曲：ジョン・レノン
作詩：ジョン・レノン
御感想、御指摘等のご連絡は、
までどうぞ