貸スタジオの小さな幸せ



4.本格的なPAで音楽を大音響で聴く幸せ



貸スタジオには本格的なPAの設備が付いています。これを使っても使わなくても1時間500円です。僕の場合ふんだんに使わせてもらう。小さな幸せを感じるためにね。貸スタジオで何をするかというとオリジナル・ソングの歌の部分を吹き込むために使うためにほぼ毎週通っています。最初はよくわからなくてPAは使ってなかったのですがせっかく録音したのにヘッドホーンで聴くだけじゃあつまらないと思っていました。よく考えてみると機材の出力端子をPAに繋げばスピーカで音が聴けるるはずだと気がつきました。スピーカも自宅とは比べ物にならない立派なものがついています。ものは試しで実際に繋いでみることにした。PAの裏をみるとまあ端子がいっぱいあります。で、どこに繋いでよいか全然わかりません。笑)試行錯誤の結果、何とか音が出るようになり、実際音を聴いてみて驚きました。


何に驚いたかというと、スピーカで本格的なPAで出る音が実に素晴らしい音だったということなんです。いつも、自宅では安物のヘッドホーン、スピーカで聴いていたのでその音は実に衝撃的だった訳です。おお、僕の音楽も捨てたもんじゃないじゃんと一人で勝手に喜んでしまいました。調子に乗って、音量をもっとあげてライブさながらの音量で聴いてみます。ウーン、実に素晴らしい。幸せを感じずにはいられません。これからというもの、スタジオに通う楽しみが1つ増えました。


僕は、昔バンドをやっていたので大きな音はへっちゃら。CDとか聴く時もついつい大きな音量で聴きたくなってしまう。これはバンドの経験があるからで家族にはあてはまらないんですね。だから、家でCDを聴こうとすると大変です。近所迷惑というのもありますが、その前に家族が黙っちゃいないのです。ブーイングの嵐になります。たまにでかい音で聴きたいと思うことがあのですが、家では自由にならないのでちょっと辛いです。音楽をやりはじめた頃は歌の録音も家でやってましたが、考えてみると家族には迷惑な話。いい年こいた親父が歌を大声で歌う姿を想像してください。ヘッドホーンをかけながらバンド演奏は外に流れず、歌声だけ聞こえるのでさぞ気持ち悪かったのではと思います。さらに、コーラスのパートを歌うのであるからして変なメロディに聴こえたに違いなくちょっとはずかしい。そういうこともあってスタジオに通い始めました。そこで、貸スタジオでなんですね。一人で王様気分に浸り誰も文句を言わないのです。実にすばらしい。


こんな使い方もします。貸スタジオで録音した後、家に帰ると録音したパートを編集して1曲に纏め上げて作品として完成させます(MIXを作るとかいいます。)。ほとんど毎週貸スタジオに通っているので当然毎週MIXを作ることになります。そうすると、できたMIXを大音響で聴いてみたくなるのは人情というもの。だから、毎週、1週間前に作ったMIXをスタジオに持ち込んで鳴らしてみます。スピーカで大きな音で聴くと家でちまちま聴いている時と随分感じが違うということも鳴らしてみて初めて知りました。大きな音で聴くことで小さい音ではわからなかった細かいところが目に付いたりします。いやにくすんで聴こえたり、逆にうるさく聴こえたり色々な場合があります。そういうことを次にMIXする時の参考にしてだんだんまともなMIXに進化させることができそうです。そういうこともわかったりするので、貸スタジオで録音の機材の準備をしている合間を利用してMIXをかけて楽しむことにしています。


貸スタジオでの幸せは1つではありません。別の幸せを次回に説明します。では、次回にまたお会いしましょう。


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