【茶目っ気たっぷり】
茶目っ気たっぷりなジャズというとこの曲が思い浮かびます。「貴方のことは地球を糸に吊るして揺さぶるように私の思いのままね。」という曲なのですが見方を変えると地球征服を狙う悪党一味の親玉の言葉に通ずるものがあると感じるのは僕だけでしょうか?うまく行く例えに地球を持ち出すセンスが何とも好きですねえ、大袈裟で。だから茶目っ気を感じられるのかもしれません。
【グルービーなメロディ】
歌詞も面白いと思うのですがメロディはそれ以上に好きかも知れません。この曲を聴くといつも「待ってました。」という気持ちになります。歌舞伎役者が登場する場面で感じるのと同じ感覚でしょうか?何回聴いても嬉しいし聴き飽きることもない、そんな感じです。ミディアムテンポ独特のちょっともたつくようなグルーブ感というのでしょうか?いつもワクワクします、この曲を聴くと。
【ジャズは古い昔の音楽?】
僕はジャズを良く聴きますが今の時代、メジャーな音楽とはいえないかもしれません。ジャズよりヒップホップやJ-Popの音楽のほうがメジャーといえると思います。しかし、音楽業界ではそうかもしれませんが意外にジャズは色んなところで耳にします。良い例がTVのコマーシャル。TVを見ているとジャズの名曲に遭遇することがかなり多いです。この前、チック・コリアのスペインがTVで流れているのを聴いて嬉しくなってしまいました。ジャズは確かにメジャーな音楽ではありませんが色んなところで根を張って生き残っているんだなと感じます。
【ジャズの潮流】
ジャズはこれまでデキシーランドから端を発し、スィング、モダン、モード、クロスオーバーなど様々な音楽スタイルを築いてきました。新しい音楽スタイルが出てくると当時のミュージシャンはそれに触れ自分なりに取り込んで大きな潮流に沿った音楽を演奏してきたように思います。でも、現在のジャズの世界は混沌としています。古いジャズが好きな人は古いジャズをやり新しいジャズを作ろうとする人も大きな潮流を作るまでには到らずという感じでしょうか。その内新しいジャズを生み出すヒーローが誕生するかもしれません。
【ジャズのブレイク・スルー】
何でもそうですが物事には進化する時期と停滞する時期があるものです。停滞から進化に向かう時に起こるきっかけがブレイク・スルー。今までの音楽の世界でいえばマイク、ベースのピックアップ、PA機材、トライアード・コード、モード奏法、電子楽器などがそれに当たるでしょうか?マイクは囁く歌い方が出来るようになりました。ベースのピックアップは低音をアンプで増幅できるようにしました。PA機材はステージ全体の音量を調節しレコードを聴くような感覚で演奏を聴けるようにしました。トライアード・コードによって複雑な摩訶不思議なサウンドを提供できるようになりモード奏法はアドリブ奏者の演奏の制約を緩和しより自由なフレーズを作ることができるようになりました。電子楽器を使うことにより今まで聴いた事のない新しいリズムや音を加えることができるようになりました。
【ブレイクスルーはいつ起きる?】
ジャズのブレイク・スルーはいつ起こるかどんなことが起こるか想像も尽きませんが僕が生きている間に起こって欲しいものです。今日はこれでおしまい。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作曲:Oscar Levant
作詞:Edward Heyman