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お気に入りの音楽 千夜一夜       


  第88夜 エブリシングズ・カミング・アップ・ロージーズ
  (Everything's coming up roses)

【テンポ300の世界】
 早い曲は世の中に色々あります!この曲はとんでもない早さで演奏されるビッグ・バンドのナンバー。俗にジャンプ・ナンバーって言ったりします。テンポは計ったことはありませんが多分300ぐらいです。4分音符だと0.2秒しかありません。何て早さだ。


【早いだけじゃないこの曲の魅力】
 この曲は早いだけではありません。いい曲なんです。多分アレンジがこの早さに最適でピッタシカンカンなんでしょう。聴いているとだんだん気分が高揚してきて「ウオオッ」と叫びたくなってきます。ビッグ・バンド・ジャズが華やかに流行っていた頃の作品ですが古い音楽は古臭いと思っている人には是非聴いてほしいと思います。今でも充分に輝いています。軟弱なミュージシャンには演奏不可能です。


【疾走感】
 僕はオートバイに乗ることはありませんが乗せてもらったことはあるのでバイクで走る時の疾走感みたいなものは一応わかるつもり。この曲を聴くとオートバイで走った時のような疾走感を感じます。聴いていると爽快です。僕もミュージシャンの端くれです。実際にこの曲を演奏できたら聴くのより何倍もの疾走感を味わえるんじゃないだろうか?そう考えると練習してみようという気になります。


【大いなる速さの壁】
 この曲に出会ったのは大学生の頃でした。若いからちょっと練習すればできるようになるだろうと速く演奏する練習を始めたのですが考えが甘かった。長い間音楽をしているとテンポに乗らなくちゃというのは意識しなくても自然に乗れるようになってくるものですが300のテンポだとそうは問屋が卸さないという感じになります。弾く音弾く音全てが全部置いてきぼりを食う感じになってしまいます。テンポに乗るだけで必死の形相になります。「こりゃあ、大変だ。」大いなる壁を感じました。


【セッションで練習】
 ジャズは色々なお店でセッションとかありますが、この速度の壁の洗礼をたまですが受けることがあります。実際によくやる曲は「チェロキー」。この曲名を聞くと店内に緊張が走ります。(私だけかな?)「チェロキー」のおかげで速度の壁を半分ぐらい登れたような気がします。1曲終わるとみんなで握手することが多い。やったぞという達成感を感じることができます。


【永遠のテーマ】
 結局今もテンポ300ではろくな演奏は出来ないでいます。でもね、諦めちゃあいないです。いつかは克服してやろうと思っています。一度でいいから聴くより何倍も強い疾走感を味わってみたいんです。無理かなあ。こういうのって永遠のテーマっていうのかな。


【気長な目標】
 気長な目標なのでいつ達成できるかわかりませんが地道な努力は続けて行きたいと思います。 今日はこれでお終い。
 では、また明晩お会いしましょう。


[関連情報]
作曲:レイ・ノーブル
作詞:レイ・ノーブル


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