【女の子の会話】
ジャズのスタンダードナンバー。女の子がだべっている会話を題材にしたらしいので歌詞はたわいもない感じの内容です。メロディがとても気に入っています。メロディが歌詞のイメージと何故か似つかわしくない気がするのですがまあそんなことはどうでもいいやと思わせるほどこのメロディは素晴らしい。段々歌いたくなって晴れて僕の歌のレパートリーになりました。
【男が歌っても良い?】
ところで歌は当たり前ですが歌詞があるので歌詞の内容によって男性向きの曲と女性向きの曲があると感じます。この曲はどっちだと思いますか。女の子がだべる歌詞から当然この曲は女性向の曲かな?と考えました。「これは困った。」とも思いました。何故かというとこの曲を男性の僕が物凄く歌いたくなったからです。でもこの曲、実は逆に男性が歌うのが相応しいということをジャズに詳しい銀座パナシェのお客さんから伺いました。要するに女の子がだべっている様子を横で聞いている男性の歌というのが正しい解釈だそうで男性が歌うのが相応しいとのこと。何も悩むことはありませんでした。勇気100倍になりやる気が出て望み通り僕の歌のレパートリーにできたというわけです。
【あまり気にしない海外ミュージシャン】
歌詞が男性向きか女性向きかは僕がある曲を歌おうとする場合結構気にします。英語は不得手なので余計に注意しないといけません。が、そう神経質に気を使う必要はないのかも知れません。これは女性向けと思われる曲を男性が歌っていたりするのをたまに耳にすることがあるからです。ナット・キング・コールが「Teach me tonight」を歌ってたりします。「Teach me tonight」は女性向の歌です。しかし、前例があるにしろやっぱり違和感があると感じてしまいます。男が「恋のABCを教えて」と言わないとは限りませんが女性が口にしたほうがやっぱり様になると思ってしまうのですが皆さんどう思われますか?僕の勝手なコダワリでしょうか?
【ニール・ヘフティ】
この曲のメロディを作ったのはニール・ヘフティという人。カウント・ベイシー楽団のアレンジを手掛けていた人なので名前は知っていました。それにしてもどうやったらこんな良いメロディを思い浮かべることが出来るのでしょうか?憧れてしまいます。コードもなかなかお洒落です。最初の2小節を書いてみると
Fmaj7 B7 | B♭ A-7 G-7 C7
このB7が泣かせるなあ。「渋い!」を10回ぐらい連呼しそうになってしまいます。この人はクリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングスというアルバムのアレンジとかも手掛けていて素晴らしいアレンジを残しています。もし魔法使いが僕のところにやって来て「お前の望みを1つ叶えてやろう」といわれたら「ニール・ヘフティのような作曲の才能が欲しい。」といってしまいそうです。あ、やっぱしクインシー・ジョーンズにしようかな?笑)なーんてね、あるわけないけどそういうことを想像すると楽しいものです。
【歌い方をこだわりたい】
僕はこの曲の歌い方には物凄くこだわりたいと思っています。どうこだわるかというとこの曲はこれでもかというぐらい遅乗りをすればするほど似合う曲だなと感じます。普通にジャストのテンポで歌ってしまっては味もそっけもないって気がします。遅乗りの感覚ってちょっと練習したぐらいでは身に付かないと思うのです。10年ぐらいかけてウィスキーを熟成するみたいに少しずつ美味しく身に付いていくものって感じでしょうか。遅乗りはジャズ独特の感覚です。人によって出来る人と出来ない人がいるかも。これがうまく遅乗りできると妙にドライブ感というかダイナミックな感覚を覚えられて演奏する側としては所謂乗りの良い演奏が体感できる気がします。ピアノだけならまだしもこの曲をもし弾き語りで遅乗りを意識して歌おうと思ったらかなり特訓しないと無理かもしれません。歌は遅乗り、ピアノの右手も遅乗り。しかし、左手は正確にイン・テンポで刻まないと遅乗りを感じ取る基準がなくなってしまい一歩間違うとベタベタに遅れまくるリズムがメタメタなイモな演奏になってしまいます。でも、この曲は弾き語りでできるとカッコいいと思うので諦めずに長い時間をかけてゴキゲンな弾き語りができるよう頑張ってみようかなと思います。
今日はこれでお終い。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作詩:Bobby Troup
作曲:Neal Hefti