【お洒落な都会的サウンドといえば】
ボビー・コールドウェルというミュージシャンをご存知でしょうか。この人のアルバムを聴いた時洗練された都会的でお洒落なサウンドにかっこいいなあと感動した覚えがあります。若い頃に一時ちょっとはまりましたね。ヒット曲も沢山作っています。ポップな曲で言えば「special to me」、バラードで言えばタバコのCMに使われた「Come to me」などが有名です。ご存知の方も沢山いらっしゃると思います。TVでかつて聴いたことがある曲が流れると懐かしくてちょっと嬉しくなってしまいます。
【ボビーの一番好きな曲】
さて、このボビー・コールドウェルの曲の中で一番好きと思う曲といったら僕は迷わず「Never loved before」を上げたいです。「Never loved before」?そんな曲あったっけか?とおっしゃる方もいるかもしれません。僕の記憶ではボビーの曲の中でも全然ヒットしなかった曲だという記憶があります。でも、この曲の入ったアルバムを聴いていて初めてこの曲を聴いた時はぞくっときました。妙にフィーリングが合う曲だとも感じました。思えばヒットする/しないと自分が好きな音楽かどうかは全然別の次元の話です。聴けば聴くほどこの曲には魅力を感じ引き込まれていきました。これ、何かとても切ないバラードなんです。いつものように気に入った曲は自分でもやってみたくなりこの曲も必死でコピーしましたよ。ちょっと変わったコード進行を使っていて苦労しましたが...
【都会的らしからぬ朴訥な本音の歌】
この曲の出だしはこんな感じ。「愛なんてゲームみたいなものと思っていたんだ。しかし.....」ボビーはどういう時にこの歌詞を思いついたのでしょうか。思えば歌を作る時って歌の内容は微妙に自分を投影して作られはしますが明らかに自分自身のことだと明言するような内容で普通は作らない気がします。誰でもちょっと衒いみたいなものがあるのでそういう気持ちが自ずと働きます。でもこの曲を聴いていると「そんなことはどうでもいい。とにかく君に僕の気持ちをぶつけたい」というダイレクトな気持ちが伝わってくるようで少し他のお洒落な曲とは趣を異にしているような気がするのです。
【コードはお洒落だが】
歌詞はこう続きます。「君と出会ってからそんな風には思えなくなったんだ。」。「愛はゲーム」というのは実に都会的でボビーに相応しい気がしますがそれを敢えて否定する本音を吐いた曲、そんな感じがします。普段お洒落で本音を吐きそうにない彼が作った歌だからよけいインパクトが感じられるのかもしれません。歌詞はそんな感じですがメロディはコードは恐ろしく洗練されていてちょっとうなってしまうほどです。ちょっと大人の雰囲気が漂うそれでいて全然やぼったくないなかなか素敵な歌だと思います。
【コンサートで感じた意外性】
ボビー・コールドウェルが人気が出た頃来日したことがありました。僕もファンだったので友達を誘ってコンサートを見に行きました。そこでちょっと驚いたことがありました。それがボビーの歌い方。彼の歌は都会的で繊細というイメージです。レコードから受ける印象はそうなので歌い方も随分ソフトに歌うんだろうなあと勝手に想像していたのですがこれが大違いでした。実にワイルドに歌うんだなあ、これが....コンサートが始まり彼がトレードマークの帽子をかぶって登場しました。ここまでは予想通り。歌い始めるとこれが実にたくましい。いままでのイメージがガラガラと崩れてしまいましたが骨太の実に聴き応えのあるステージでした。やっぱ、ライブはいいなあと再認識してしまいました。かっこよかったです、ほんと。
【聴こえ方の違い】
こんな風にCDで音楽を聴く場合と、ライブで音楽を聴く場合その聴こえ方の違いに驚くことが僕の場合多いのですが、大抵はライブで聴くほうが臨場感が感じられてCDとかで聴くより良いと感じることのほうが多いです。しかし、まれにしょぼいライブとかに遭遇することもあります。しょぼくなってしまうのはPAの設定が悪かったり場所自体が悪かったり色々な原因があるのでしょう。同じ演奏を聴いても場所によって感じが違って聴こえたりする経験もよくします。例えば僕自身の経験で言えば学生の頃組んでいたバンドでの経験談を1つ。スタジオでバンド練習している時に聴いている感覚と実際のステージで演奏する時は多分空間の広さの影響なのでしょうが自分達の演奏が全然感じが違って聴こえます。それもスタジオと同じように聴こえたことは殆どなく大抵の場合雰囲気が違ったように聴こえて困惑しながら演奏していたような思い出があります。聴こえ方が違うと演奏する側にとっては困るのは何故かそれだけでうまく弾けなくなったりします。微妙に心理面で影響が出るのでしょう。ステージで緊張するのはそういう音の聴こえ方の違いが大きく作用するのではないかと思うのですがどうなのでしょうね。音響の知識がもう少しあればどういうメカニズムでそうなるのか解明できるのでしょうがそういう知識はほとんどなく僕の音楽7不思議の1つに属しています。
今日はこれでお終い。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作詞:ボビー・コールドウェル
作曲:ボビー・コールドウェル