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お気に入りの音楽 千夜一夜       


  第55夜 青い影(A whiter shade of pale)

【コーヒー好き】
 僕は事情があって月1回病院に通っています。午前中休暇を取り診察が終わった残りの時間は自分のために有効に使ってみようと思って過ごすことにしています。楽器屋さんやパソコン・ショップに寄ったり、コーヒーを飲みながら音楽を聴く時もあったりします。コーヒーはかなり好きなほうです。最近は安いコーヒー屋がいっぱいできてコーヒー好きな人には有難いことです。僕も少なからず恩恵を受けている一人。そこら中にコーヒーが飲める店ができてしまったという感じですよね。ほんとに色んな店があるのでどこに入ろうか迷ってしまうくらいです。


【コーヒー・ショップの音楽】
 で、僕が割りと利用する店は「ミスター・ドーナッツ」。最近出来た店とは違い随分昔からあるような気がします。ここをよく利用するのは昔からあるからではなく、僕なりの理由があるんです。それは、ここで流れる音楽がとても僕好みだから。但し、ジャズは殆ど流れないです。ポップス、ロック系の音楽が中心ですが懐かしい曲がたくさん流れるのでとても嬉しくなってしまう。僕が高校の頃に聴いたロックがかかったり、大学の頃いいなと思ったポップスが流れたりでとても楽しめます。コーヒーは御代わり自由だし....。


【かつて聴いたオルガンが流れて】
 病院の帰りのある日久しぶりに「ミスター・ドーナッツ」に寄ってみました。コーヒーを飲んでいると懐かしい聞き覚えのあるオルガンのフレーズが流れてきます。「何だっけ、おおプロコル・ハルムの青い影だ。」じっくり聴いてみます。ポップスにしては長いオルガン・ソロから始まります。小さい頃、同じように弾きたくて何度も何度も繰り返し聞いて覚えたフレーズです。久しぶりに聴くと懐かしさも加わって素敵なフレーズだなあと改めて感心してしまいます。


【音数が少ないのに...】
 このフレーズをピアノとかオルガンで弾くととても気持ちよさを感じます。音数は少なく右手も左手も単音で弾く感じで和音とか殆ど弾かないのにさびしい感じがしない不思議なフレーズです。普通ピアノとかで曲を弾く場合メロディを単音で弾くだけでは人に聴いてもらう完成した音の感じにはなりません。だから、普通ピアニストはメロディに相応しい和音を重ねて弾いたりベースの音を加えたりしてハーモニーとして完成した形で演奏しようとします。和音にしてもベースのパターンにしても加えればよいというものでもなくうまく加えないとイモな演奏になったりするのでそういうところで結構苦労したりするものですが、このフレーズはそういうことを考えなくてもちゃんと聴こえてしまうので、不思議です。このフレーズはバッハの「G線上のアリア」をパクって作られたとケチをつける人もいますが僕はそう感じません。よく練られた別の曲と感じられますが、みなさんはどう感じますか?


【ブルージーな節回し】
 この曲はこのオルガンのフレーズがきっかけで好きになりましたがボーカルもなかなか素晴らしく聴き応えがあります。どこが素晴らしいかというと「これぞ、ブルージー」という感じで歌のフェイクの仕方がお手本にするのに最適と思える歌い方をしているからです。レコードと同じように歌えたら実に気持ちよさそうと感じられて何回も繰り返してレコードを聴いた覚えがあります。


【英語のDJ】
 「ミスター・ドーナッツ」では曲が終わるとDJが曲の説明などをしゃべるのですが、これが英語です。英語はあまり得意ではないのでちょっと閉口しますが雰囲気はFENを聴いてるみたい。目をつぶれば横浜じゃなくてアメリカのとある都会のコーヒー屋でくつろいでいる気にならなくもない。(ちょっと、無理があるかな。でもこういうのは気持ちの問題だよね。)


【アメリカへの漠然とした憧れ】
 アメリカという国には漠然とした憧れがあります。一度でいいから行ってみたいものだと思っていましたが結婚した時にそのチャンスはやってきました。そう、新婚旅行にいかなくちゃあ!。という訳で迷わず僕はアメリカに行きたいと言いました。あっけなくアメリカへ行くことで話が決まりちょっと旅行するのが楽しみになってきました。その当時、普通に新婚旅行を申し込むと至れり尽くせりという感じで食事も全部手配してくれるシステムになっていました。僕はちょっとへそ曲がりなので最初から決められた食事なんて何かつまらないと感じて朝の食事以外は全部キャンセルして自分たちで食べにいくことにしました。


【初めての英会話に夫婦で緊張】
 嫌というほど飛行機に揺られアメリカに到着し他の人達が添乗員に連れられてディナーに向かうのを見送り僕らは単独行動で夕食を取りに出掛けました。ところで、僕はちょっと緊張していました。僕の英語が通じなくて何も食べられなかったらどうしようとか..で、手頃そうなレストランを選んでさあ入ろうとした時です。ドアに手を掛けた細君がおもむろに振り向きこう言いました。「pullって押すだっけ、引くだっけ」何のことはない、細君も緊張してたんですね。それが判って二人は大笑い。緊張はどこかに吹き飛んでしまいました。店に入って言葉は思った以上に通じその夜は豪華なステーキ・ディナーを満喫しましたよ。今日はこれでお終い。
 では、また明晩お会いしましょう。


[関連情報]
作曲:ゲイリー・ブルッカー
作詞:キース・リード


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