お気に入りの音楽 千夜一夜
【何て粋、何て意味深？？？】
この曲は、有名なジャズのスタンダード・ナンバーです。僕の場合大抵は歌詞よりもメロディが好きになることのほうが多いのですがこの曲は珍しく歌詞が気に入ってしまいました。歌詞の一節に「今夜教えて、恋のＡＢＣからＸＹＺまで．．．」というくだりがありますが、まあ何と意味深で気の利いた言葉なんでしょうか？「ＡＢＣからＸＹＺまで」何て粋なフレーズはどうやって思いついたんだろうと感心してしまいます。
【若い女性が口説く設定だから価値がある】
ハンフリー・ボガードのようなナイス・ミドルが、若い女性から口説かれる光景を思わず思い浮かべてしまいます。で、ナイス・ミドルはこう言い放つ、「恋？そんな昔のことは忘れたぜ」。口説くというと男性が女性をと連想しがちですが「恋のＡＢＣ．．．」というからにはやはり女性が男性を口説く光景をやっぱり思い浮かべてしまいます。普通若い女性はそういうことは口にしないからちょっと絵になる気がします。１つ物語を作れそうなくらい色んなことを思い浮かべてしまいます。僕の場合、「恋のＡＢＣ．．．」なんてささやかれちゃったらいったいどうなってしまうんでしょうか。えっ、そんなこと絶対無いから心配するなって．．．．まあ、それはそうかも．．．．
【物憂げなイメージ】
僕がこの曲から受けるイメージは「ものうげ」。この曲は決して溌剌と歌ってはいけないと思うのです。女性ボーカリストが歌ったらベスト・マッチと思えます。それも、ハスキー・ボイスの．．．．そういう先入観があるせいか良い音楽を聴くとすぐ憧れを抱いて真似したがる僕にしては珍しく自分でこの曲を歌ってみたいとは思わないです。僕の好きな男性ボーカリストでアル・ジャロウという人がいますが、この曲をカバーしているのをレコードで聴いたことがあります。やっぱり、イマイチピンときませんでした。僕の頭の中では女性が男性を「恋のＡＢＣ．．．」といって誘惑するアブナい歌としてしっかり定着しているようです。
【男の隠れ家】
ところで、こういうアブナい会話をするにふさわしい場所ってどんなところがいいと思いますか？すぐ思い浮かぶのがこじんまりしたバーなんていいかもしれません。僕はのんべーではないので行きつけのバーとかはないのですが最近ちょっと思うのがしょっちゅうはいかないにしろ行きたいときに行ける雰囲気のある馴染みのバーを開拓したいななどと思ったりすることがあります。要するに男の隠れ家がほしいなあと．．．．「男の隠れ家」。秘密めいたなんて素晴らしい言葉なんでしょうか？皆さん、実際に隠れ家と呼べるお店を見つけられているのでしょうか。
【理想の隠れ家】
さて、僕が理想とする男の隠れ家はどんな隠れ家かというと店は１０人ぐらいのお客がはいると一杯になってしまうような小さな店。その店はいつも空いていることが多い。要するにあまりはやっていない。僕はいつも奥から３番目の席に座ることにしている。先約がいるとその日はそのまま帰ってしまう。それだけこだわりがある。えっ、空いてるとこにすわればいいじゃないかって？いいの、それで。こだわりというのは、理屈じゃありません。そう決めたら、そうすればいいんです。席に座ると僕は注文しない。マスタはいつものやつを出してくる。暗黙の了解というやつだ。これがドライ・マティーニとかだったら格好良いのだが、僕の場合はビール。あれ、笑いました。いいじゃないですか、好きなんだから。でも、もうちょっと格好良い飲み物を開拓しようと思ってます。店にはいつもジャズが流れる。不思議に僕の好みのものがかかることが多い。ある時はビル・エバンスだったり、ハンコックだったりする。結局ピアノの音が好きなわけだ。
【灯台元暮らし】
女っけはなし。一人で飲む。音楽をじっと聴いたりタバコをくゆらせたりして夜の時間がゆっくり流れていく．．．こんな隠れ家が理想かな。んっ、全然ゴージャスじゃないって？いいの、それで。豪華なら良いというのは偏った考えです。僕にはこれがベスト。実際は色んなバーに行こうとはすれ、なかなか実行には移せないもので、まあゆっくり探そうと思ってます。最後に、考えてみると銀座パナシェが知ってる店で一番理想に近いかもしれないと思ったりもします。灯台もと暮らしとはこのことかも．．．．
今夜は、これくらいでおやすみなさい。また、明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作詞:Sammy Cahn
作曲:Gene de Paul
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