【歌より気になるベース・パターン】
筋金入りのロッカー、ロッド・スチュアートが歌った曲で、何回聴いたことでしょう。何でこんなに好きになったかというとロッド・スチュアートの歌というより(ロッドごめん)この曲で演奏されるベース・パターンに惚れ込んでしまったからです。変なものに惚れ込む奴だとお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんがこれを初めて聴いた時は正直ビックリしました。
【革命的な西洋ズンドコ節】
「I'm sexy」以降このベース・パターンが随所で使われ始めた気がします。実際「I'm sexy」で初めて使われたかどうかは確証がありませんが、少なくとも僕の場合に限って言えばこの曲で初めて聴きました。普通ベースの音は拍子の頭に置くのがおきまりですが、このベース・パターンはほとんど拍子の頭に音がなく、最初聴いた時は物凄くインパクトを感じて、「おお、かっちょええ!」と感心してしまいました。僕はこのフレーズを「西洋ズンドコ節」と命名してかわいがることにしました。シンディー・ローパーの「All through the night」、ビレッジ・ピープルの「Can't stop the music」、J-popでいえばTRFの「Boy meets girl」などで同じベース・パターンを聴くことができます。ちなみに、僕のオリジナル曲でも出てきますよ、「関係ない」って曲です。このベース・パターンの元祖は「I'm sexy」だと思うのですが、違うかなあ...
【同じリズムでも楽器が違うと...】
このベース・パターンのリズムはレゲエのリズムに通ずるものがありますが、レゲエではギターがカッティングでこのリズムを刻んだりします。テンポもゆっくり目のものが多いですよね。ところが、レゲエではベースはこのリズムを刻みません。リズムが同じでも奏でる楽器が違うと随分曲の雰囲気が違います。
【繰り返し効果】
同じリズム・パターンが繰り返し演奏されるのを聴いていると演奏にもよりますが、不思議な陶酔した気持ちになってくることがあります。レゲエはそういう繰り返しのリズムでよさを出す種類の音楽という気がします。ギターのカッティングであのリズムを刻むことであのホンワカした雰囲気が醸し出されます。しかし、これをベースで刻むと事情は一変します。通常はベースのような低音の音が頭にドンと来ると曲が安定した感じになりますがこのベース・パターンはほとんど拍子の頭に音がないため、不安定な感じを与えます。それが妙な緊張感となり僕に訴えかけます。妙に耳にこびりつくリズムです。口で表わすと「ツットコ、ツットコ、ツットコ、ツットコ、....」って感じかな。譜面で書くと以下のようになります。
【ピアノでも弾いてみたくなったが....】
このリズムは大好きなのでピアノを弾く時にも使ってみようと思い左手でこのリズムを刻み、右手でメロディを弾く方法に挑戦してみたことがあります。未だ極められないでいますが気長に挑戦して自分のものにできるよう今も努力中です。アニメソングで「ふしぎの海のナディア」という曲があります。この曲のサビを例のベースパターンリズムで刻みうまく弾けるとかっこいいです。このリズムは弾いても聴いても何か血が騒ぎます。
【得な声】
ところでロッド・スチュアートの声は独特です。最初からああいう声だったかというとそうではありません。喉の調子が悪かった時に医者から治るまで怒鳴るのだけはしないようにと注意されていたロッド。しかし、運悪く怒鳴らざるを得ない場面にでくわしてしまいました。ロッドはどうしたって?そりゃあ、貴方怒鳴ってしまったに決まってるじゃないですか!かくして誰にも真似できない個性的な声を手に入れたというわけです。まあ、普通の声でロッドが歌っても今ほどのインパクトのある歌は歌えないんじゃないかと思うと結局それでよかったかもしれません。何が幸いするかわからないという好例ですよね。
【得な声といえばもう一人...ババアの声??】
歌声は人によって千差万別です。ジャンルを問わず思わず憧れてしまう声質に出くわすことがあります。最近出くわした憧れの声質。誰だと思いますか。ダイアナ・クラールをご存知でしょうか。彼女には失礼かもしれませんが、独特のしわがれた気負いのない声を初めて聴いた時、何て素敵な声なんだと感じると同時に長年の歌い込みで築かれた円熟さを感じてかなり年配の方が歌っているんだろうなあと勝手な想像を抱いてしまいました。ところがどっこいしばらくして彼女の写真を見てひっくり返ってしまいました。そこに写っているのはあのしわがれ声からは想像だにしなかったうら若き女性。声から受けた印象と全然違う風貌に困惑!してしまいました。昔からハスキーボイスといったら、思い浮かぶのがヘレン・メリルですがこれからダイアナ・クラールの顔が思い浮かぶようになるかもしれません。ところで彼女はどうやってあの魅力的な声を手に入れたのでしょうか。ロッドのように医者に止められていても怒鳴ってしまうような短気な性格にはみえません。小さい頃からあの声だったのでしょうか。そうだとすると、小さい頃「ババアの声」の子とかいっていじめられたんじゃないかななどと心配になってしまいます。もし僕の同級生にあんな声の女の子がいたら思わずからかってしまいそうです。余計なお世話だって。それはそうかも。今夜は、これくらいでおやすみなさい。
また、明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作詞:調査中
作曲:調査中