【最初は食わず嫌いだった大好きな映画】
有名な映画の主題歌です。私の好きなジュリー・アンドリュースが映画の冒頭でスイスの大自然をバックにのびのびと歌います。銀座パナシェ(私がピアノと歌の修行で出入りしていたお店の名前)でたまにご一緒させて頂いていた森 美紀子さんのレパートリでもあります。この映画はとても好き。あまり沢山映画を見るほうではないのですが2,3年に1回は必ず見ているんじゃないかな?物語はトラップ大佐一家の家庭教師としてやって来たジュリー・アンドリュースが繰り広げる心温まる子供達との交流を描いたとても微笑ましい映画です。
【誰も注目しないがお気に入りの場面】
しかし、ナチスが台頭した暗い時代背景があり色々考えさせられる場面もあります。
この曲は、映画の冒頭で歌われることは先に書きましたが、この曲がもう1箇所登場する場面があります。お客様をおもてなしするために子供達が歌を歌う場面があるのですがここで「サウンド・オブ・ミュージック」が歌われます。冒頭とは違い、何の伴奏もないアカペラでバラードでしっとりと歌われます。冒頭のジュリーの歌は当然素晴らしいのですがこのアカペラも、また別の趣があり、コーラスファンの私には堪えらない一場面なのです。この場面はあまり注目されず紹介されることさえないと思いますが僕にとってはこの映画で一番聴きたいというか見たい場面なんですね。ここで歌われるコーラスは何故か心に残るのです。思わず聴き惚れてしまいます。そんな訳で何回もビデオを戻して繰り返し聴いたりしてしまいます。(ビデオ屋さん、ごめんなさい。)このコーラスのアレンジはかなり素晴らしいと思うのですがどうでしょうか?
【思わず泣いちゃう名場面】
久しく歌声の途絶えた家に久しぶりに響く歌声。家の外で気がついたトラップ大佐はかすかに聴こえる子供達の歌声を辿り、部屋に入ってきます。子供達が歌っているのを間のあたりにして高ぶる感情が押さえきれなくなり、自分も「サウンド・オブ・ミュージック」を歌い出してしまいます。長年の子供達とのわだかまりが消えてなくなる瞬間です。ああ、よかった...涙...不覚にもストーリがわかっているのにいつもここで泣いてしまう。ちなみにトラップ一家は実在したのだそうです。映画のように音楽好きの素晴らしい一家だったことでしょう。
【天真爛漫は昔は疎まれた?】
ところで、この映画に描かれているジュリー・アンドリュース(映画の役柄はマリア)は、天真爛漫な少女として描かれています。修道院ではその天真爛漫な性格がかえって災いし頭の痛い問題児扱いされてしまいます。トラップ大佐宅の家庭教師の話が舞い込むとマリアに白羽の矢が立ちます。シスター達にとっては頭痛の種のマリアを厄介払い出来て好都合というわけです。かくしてマリアがやって来るのですが最初から子供達に受け入れられるかというとそうは問屋が卸さないんですね。最初は容赦ないイタズラの歓迎を受けます。椅子の上にマツボックリを置かれたり、ポケットにカエルを入れられたりで散々な目に遭います。ところが、その後のマリアの立ち振る舞いがなかなか素晴らしい。普通こんなことされたら取り乱して怒り狂うのが普通ですがここではマリアの天真爛漫な性格が幸いしてどっこいそうはなりません。(まあ、詳しくは説明しませんが僕の拙い説明よりは映画を見て頂いたほうが早いと思います。)普通の家庭教師は、ここで逃げ帰ってしまうのですが、マリアは帰りませんでした。それどころか子供達に歌を教え、少しずつ子供たちの心を開いていきます。マリアが来るまではやって来た家庭教師を追い返すのを面白がりイタズラの限りを尽くしていた小生意気で意地悪な子供たちがだんだん良い子になっていく過程を見ていくといいなあと思ってしまう。それも、教会では落ち着きのないダメな子と烙印を押されたマリアが、トラップ家では最高の家庭教師として活躍する。教会で良い子と評判でも、多分トラップ家に行ったらその人はマリアみたいに振舞えるだろうかと思うと痛快さを感じてしまうのです。今時、こんなことは現実には有り得ないとおっしゃる方もいらっしゃるとは、思います。私もそう思います。でもね、この映画を見ると何か救われるような気がして何度もビデオを借りてみてるのは私だけかなあ...
【声が出なくなったジュリー・アンドリュース】
ジュリー・アンドリュースは喉の手術が失敗して声が出なくなってしまったという話をどこかで聴きました。あれだけ歌って踊れる人が声が出なくなってしまった時のショックはいかばかりなものかと考えると、胸が痛みます。これだけ医学の発達した現代です。また、歌えるように手術できるようにならないものかと思うのですが....
今夜は、これくらいでおやすみなさい。また、明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作曲:Richard Rodgers
作詩:Oscar Hammerstein Ⅱ
Live:パナシェ..師匠 森 美紀子の「Sound of Music」が聴けます。