Music Magician

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  5.4)ジャズ・ランニング・ベースの作り方(応用編その3)

【よりランニングらしくする方法】
今まで説明してきたベース・パターンはRoot,5thを基本にそれを如何に格好良くするかという視点で考えてきました。しかし、実際ベーシストが弾くベースラインはもっと自由で流れるように音程が上がったり下がったりするラインを弾いています。それに近いものを弾くにはどうしたらよいかという観点で今までとは別の考え方で弾く方法を説明します。

【流れるライン】
例えばCのコードの時に流れるラインを作るにはどうしたらよいでしょうか?1つの答えはド−レ−ミ−ソと弾くこと。敢えてレを弾くことによって流れるラインと感じられるようになります。このパターンを他のコードにも適用してラインを繋げていきます


 1)基本のランニング2パターン
このパターンの場合、コードのルート、9th、3th、5thを使います。例えばCのコードが書いてあるところではこんな風に演奏します。2つのパターンが考えられます。

なぜ2パターンあるかというとコードが変わった時にこの2つのパターンを組み合わせて音の流れを円滑にするためなのは5)2と同じ理由です。それと3thを使うことからメジャー、マイナーでパターンが変わってきます。Cmだと以下のように変わります。

例えば、Dm7|G7|C というコード進行があるとします。このコード進行に沿ってベース・ラインを作ると以下のようになります。5.2)で説明したクロマチックの手法も使って作ってみましょう。


 2)色々なコードに沿ったパターンを考える
この考え方は9th、3thを使うのでコードの種類が変わる度、音列も微妙に変わります。例えばハーフディミニッシュ。CФ7はこう弾きます。

最後はディミニッシュですがハーフディミニッシュとまったく同じように弾きます。

これで終わりかというともう1つ考慮する必要があります。この考え方では必ず9thを使いますがマイナーコードの場合この音が多少厄介です。 キーがCでEm7のコードの場合を考えます。この考え方を遵守して音を作るとミ−ファ#−ソ−シとなりますがファ#はCの音階に乗らない音なので半音下げてファで弾くという考え方が成り立ちます。しかし考え方を変えて3thにいくためのクロマチック・アプローチした音だと考えてそのままファ#で弾くのも間違いではありません。僕はファ#で弾いたほうがモダンな感じがして個人的には好きです。コードを弾きながらコード毎に9thの音選びまでするとなると厳しいものがあります。技術的に9thは考慮しないで弾いてしまうと言うのが最も現実的な解決方法といえます。まあ、好みの問題です。どちらを選ぶかは弾いてみて決めればよいと思います。  もう1つ面倒臭いのがメジャー、マイナーで3thの音を切り替えること。これさえ出来れば流れるベース・ラインを繋げて弾いていくことができます。  
 この考え方で作るベースラインはベース奏者が弾くベースラインにより近いものですがワンパターンなので5.2)で解説したパターンと併用して演奏することをお薦めします賢明な読者の方はお気づきだと思いますがこのパターンのみでは上から下へ下がっていくベースラインは作れません。そういう意味で実際のランニング・ベース・ラインと同じではありません。下るベースラインは僕自身現在考え中の状態です。考えがまとまり実戦で弾けるようになったらこの講座で紹介したいと思いますがいつになるかは判りません。
 3)いままでの考え方で作るベースラインの例題
今までroot−5thを使うパターン、半音移行法、裏を使うパターン、流れるベースラインの4つの手法を紹介しました。ここからはこれらの考え方に準じていて僕がベース・ラインらしいと感じてよく使っているベースパターンを紹介します。

[例題1]
 最初は上で紹介したfig5_3_3のベースパターンに半音移行法のスパイスを降りかけてみましょう。結果は以下のようになります。

 どうでしょうか?かなり実践的なベースラインになってきたと思いませんか?

[例題2]
 いかにもそれらしい半音移行法を上手に使ったお決まりフレーズはいかがでしょうか。コーラスの終わりとかで使うといい感じになります。使いすぎると鼻に付くのでご用心。コードは|C  A7|Dm7 G7|の場合に使いますが|C  |Dm7 G7|というコード進行で使ってもCをA7にリハーモナイズしたと考えて使ってしまえば問題ありません。コーラスの終わりに使える場合が多いです。



 本物のベーシストが奏でるランニング・ベースに随分近づいてきたと感じられるようになってきたでしょうか。

次回は最終回です。もう一段上のベースパターンを習得するヒントを説明してみようと思います。


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