【カット・オフとレゾナンス】
いい音楽作ってますか!
前回は、Midiを作るにあたってリバーブ、コーラスのかけ方についてお話しました。今回はカット・オフ/レゾナンス(CutOff,Resonance)の設定方法についてお話したいと思います。
【音色を微妙に調整する】
カット・オフは、システム・イクスクルーシブの機能を使うことにより利用できる機能です。YAMAHAやRolandのMidiには装備されていますがGM規格のMIDI(Sound Blasterなど)にはその機能はありません。
一般にMIDI機器の音色はソロで鳴らせるとちょうどいいように音色が調整されています。YAMAHAのMIDI機器は特にその傾向が強いといわれています。別の言い方をすれば、ソロには向くがアンサンブルにはちょっと...という評価をされているようです。かたや、RolandのMIDI機器は、アンサンブルに向くように音色を調整してありソロでならすのはちょっと....という評価です。そうであればアンサンブル系の楽器はRolandで、ソロ系の楽器はYAMAHAで作ればちょうど良い音になるのではと思われる方がいらっしゃると思いますが、2つMIDIをそろえる必要などありません。楽器ごとにソロ用、アンサンブル用の音色に調整することが可能なのです。それが今回説明するカット・オフとレゾナンスです。カット・オフは簡潔に説明すると音を明るくしたり、暗くしたりする機能です。もう一方のレゾナンスは、音を癖のある音にしたり癖のない平坦な音にする機能です。どのように調整するかというと下表のようなガイドに従って調整すればソロ用、アンサンブル用に各音色を調整することが可能です。
申し訳ありませんが、Metamorphosis-OneはYAMAHA製MU-15しか持っていないのでこの機器を前提に話をします。Roland製、この機種以外のYAMAHA機器の設定がどうなるかはわかりません。
楽器の 種類 | 具体的な楽器 | CutOff設定 の目安 | Resonance 設定 の目安 | 備 考 |
---|---|---|---|---|
リード楽器 | 単一でメロディを奏でる金管、木管楽器 | 標準 | 控えめ に設定 | 木管、金管楽器は標準設定で使うとかなりうるさいです。 |
アンサンブル楽器 | 木管、金管を3、4管編成でアンサンブル | かなり 低く設定 | かなり 低く設定 | 金管、木管楽器はもともとうるさい上に複数鳴らすともっと酷くなります。これでもかというくらい低く設定します。 |
リズム楽器 | ギター、ピアノ | 上げる | 上げる | ギターもピアノもオケで鳴らす場合低音が強調されるため明るい音にして低音成分をなるべく抑えるようにします。 |
ベース 楽器 | ベース | 上げる | 上げる | ベースも標準設定ではもこもこします。 |
ドラム楽器 | ドラム・キット | 控えめ にする | 控えめ にする | 標準ではハイハットなどの高音が強調され気味になるので控えめに設定 |
効果音 | ドラム・キット | 上げる | 上げる | 効果音は、曲の中でワンポイントで鳴らすことが多いので目立つようにするため、大抵はこの設定にします。 |
【具体的な値のヒント】
ガイドラインで設定の傾向はわかりました。が、具体的にいくつに設定すればいいのか確定するのにはかなりの試行錯誤が必要です。Metamorphosis-Oneが所有しているMU-15についての具体的な音色毎の設定値サンプルを下記に示します。楽器の構成や楽器の役割により設定値は微妙に変化させる必要があると考えられますが、試行錯誤の時間短縮に多少貢献できるのではと思います。また前回説明したReverb,Chorus SendLevelも合わせて掲載しました。
MU-15MIDI設定サンプル