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オーバー・ザ・レインボウ(Over the rainbow) ライナーノーツ

Metamorphosis-One
カバーソング
「オズの魔法使い」の有名な曲。いつかアレンジしてみたかった。

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【虹の彼方に何が見える】
ライナーノーツ オーバー・ザ・レインボウ  「オーバー・ザ・レインボウ」。邦題は「虹の彼方に」。この曲を聴くとしみじみと幸せな気分に浸れる気がします。ジャズ屋でこの曲が嫌いという人には会ったことがありません。ジャズが好きでなくてもどこかで一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。色々なところで耳にします。聴いたら「ああ、この曲か」と思い当たると思います。

【アレンジのきっかけ】
 僕の場合いつもアレンジするきっかけがあります。何か思いついて「この曲でやってみたらかっこいいかも」と思ったりするとアレンジを始めます。逆に思いつかなければ何もしません。この曲のアレンジのきっかけは8分音符と4分音符の3連符を使った複合リズムを試そうとしたことでした。

【複合リズムが奏でる不思議な響き】
 これは別に僕のアイデアではなく色々な人がやっています。一番身近で極め付けなのがショパンの「幻想即興曲」です。小さい頃、この曲をピアノで弾いている演奏を実際に聴いた時にとても不思議な言い知れぬ快感を覚えました。今までに聴いたことのない感覚でした。どうしたらこんな不思議な演奏ができるのだろうと疑問でしたが実際の譜面を見て謎が氷解しました。僕が快感と感じたのは複合リズムが醸し出す雰囲気だったのです。左手は4分音符の3連符に対し右手は4連符で演奏されるのです。だからピアニストは大変です。しかも右手は4連符と感じられないぐらい超高速の早さで演奏されます。真面目に練習したピアニストのみ弾くことができる難曲なんです。この時感じた複合リズムの快感は忘れられず僕の記憶にしっかり刻まれました。

【小さい頃の記憶とこの曲のメロディがリンク】
 ところで「オーバー・ザ・レインボウ」です。この曲はよく聴く機会があります。ある日この曲を聴いていてサビのメロディが流れた瞬間小さい頃の記憶が蘇りこのメロディを複合リズムでやったら格好いいんじゃないかと思いつきました。音楽の神様がちょんと記憶の糸をメロディに繋げてくれた、そんな感じでした。早速やってみようとアレンジに取り組むことにしました。

【パズルを解くように作ったサビのボイシング】

この曲のサビのメロディはハ長調でいえば「ミソミソミソミソファソファソファソファソ」というように2つの音を繰り返すパターンが沢山出てきます。サビのボイシングで思いついたのが2〜4声目のボイシングもこのパターンを使おうというものです。先ほど説明した複合リズムと組み合わせて1声目のメロディは8分音符で繰り返されるので例えば2声目は4分音符、3声目は2分音符という具合にわざと長さを変えてボイシングするのです。こうすることにより音の組み合わせが複雑になりうまく作れば不思議な感覚を作り出せること請け合いです。さらに3連リズムで組み合わせれば不思議さは加速されカッコ良いサウンドになる予感がして早速作ってみることにしました。

【困難を極めたボイシング】

しかし思いつくまではよかったのですが実際に作るのはメチャクチャ大変でした。ボイシングするときはコードの構成音に沿って音を1つずつ選んでいけば良いのですが近接する音を繰り返しするパターンでは2音分選ぶ必要があります。ボイシングする時はなるべく同じ音にならないよう音を選ぶのが普通ですがどの音を使うか考え始めると行き詰まりまるでパズルを解くように音を選ばなければなりません。半音でぶつかったりするのは避けようと割りと広い音域でボイシングを作って録音してみたら裏目に出てぜんぜん良くありません。結局半音でぶつかったりするのも構わず作り直したらかえってそれがいい雰囲気を醸し出しほぼ思い通りのボイシングを作ることが出来ました。出来上がった時は妙に達成感がありちょっとうれしかったです。

【時間をかけて取り組もうと思ったが...】
 この曲は有名だし好きな曲だし物凄く思い入れがあります。だから後で後悔しないよう十分時間をかけてアレンジしてみようと思いました。が、実際は時間をかける=よく考えられたアレンジにはならないようです。いいフレーズが出るまで待ってみようとか考えると今日はちょっと止めておこうと思うだけですぐ1週間が過ぎ結局何もせずまま過ごしてしまうことが多かった気がします。一旦作ってここをどうしようとか考えるようになればいいのに時間をかけるをいいことに結局何もしない自分が情けなくなりました。

【音色の壁】
 実際作り出してみると色々構想が沸いてくるものです。作り出すのは早めに始めて作りながら考えるのがやはり性に合っているようです。思い入れのある曲なのでどうしても伴奏はゴージャスにしたくなります。トロンボーン4管とストリングスで伴奏を作り始めました。ここで問題が色々出てきました。1つは音色の問題。サウンド・フォントを使ってかなりリアルに近い音をインターネットから集めてきてトロンボーンの音もストリングスの音も充実したはずなのですが単音で聴くとなかなか素晴らしいと思える音色も実際の演奏の中で聴いてみると何故かしっくりこないのです。色々な音色を揃えたのでとっかえひっかえ試してみたのですがなかなかこれはピッタリという音には巡り合えないことが多いです。不思議なものです。

【違和感を感じたビブラート】
 何が気に入らないかというと一番嫌だなと思ったのがそれぞれの音に設定してあるビブラートです。単音で聴くと良い感じなのに実際の演奏の中では妙に浮いた感じで全体になじみません。ここはViennaというサウンド・フォントを編集するツールを使って僕好みに音を修正する必要がありそうです。そこまで取り組むと慣れないせいもあり膨大な時間がかかりそうです。まあ気長に取り組もうと思います。


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