【いい曲】
音楽をやっているといい曲に巡り会うことが楽しみの一つです。特にジャズは名曲の宝庫です。何年聴いていても知らない曲があり「おお、またいい曲に出会えた。」という経験をします。何という奥深さでしょうか?一度聴いた曲がその時はピンと来なかったが別のアレンジで聴いて好きになるってこともしょっちゅうです。名曲との出会いは絶えません。笑)
【ジャズ初心者】
ぼくがジャズを本格的に聴き出したのは大学に入ってから。毎晩、ジャズ喫茶に入り浸りレコードを聴いていました。ジャズ喫茶に行くと当たり前ですがずーっとジャズが掛かっています。ジャズを聴き始めた頃ポップスを中心に聴いてきた若者としてはスィングのリズムとかには馴染みがなく管楽器から繰り出される華やかなアドリブ・フレーズに心踊りピアノの複雑な和音に驚き何もかもが新鮮な、斬新な音楽として聴こえたものです。でも、暫くすると毎日聴いているのでそういう気持ちは段々収まってきます。今度は自分の好みのジャンルのジャズを探すようになります。音、フレーズ、アレンジなど何でもいいからジャズ喫茶で気に入ったところがあるレコードに遭遇したらアルバム名をメモして、今度はレコード屋に行ってそのレコードを探しに行く、お金の余裕があれば買ってしまう、ということを繰り返していました。
【テンポを変える魔法】
この曲はジャズを聴き始めてから早い時期に部室でジャムる曲のレパートリーになっていたと思います。大抵はバラードで演奏していてまあ好きな曲の部類でしたがそれ以上とも感じませんでした。が、ある日ジャズ喫茶で様変わりしたこの曲に出会い心ときめくぐらい好きになってしまいます。記憶が定かではないのですが、市川秀男さんのピアノ・トリオの演奏でバラードではなく200を越すアップテンポで演奏されるこの曲を聴きました。この時に初めて同じ曲でもテンポを変えて演奏することで別の魅力が輝くことがあるということを実感しました。
【疾走感を感じさせるメロディ】
この曲を作ったのはマット・デニス。マット・デニスはピアノを弾いて歌を歌う弾き語りスタイルのミュージシャンでもあります。自分の曲なので自分で演奏していますがやはりバラードで演奏していました。マット・デニスもこの曲がアップテンポで演奏されることは意識せずに作ったと思うのです。が、よく合います、早いテンポに。
【柳の下のどじょう】
他の曲でもこの曲のように早いテンポで演奏したら別の魅力を発揮する曲は他にもあると思います。マット・デニスが作った曲で「エンジェル・アイズ」(第73話で紹介。)という曲があります。この曲を倍テンのボサノバで演奏したりするといい感じです。自分のレパートリーのバラードを早いテンポで演奏してみて魅力探しするのも面白いかもしれません。今日はこれでおしまい。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作曲:Matt Dennis
作詞:Earl Brent