【聴くと弾くとは大違い】
この曲のコードの難解さは只者ではありません。それなのに不思議な雰囲気の漂う美しい曲なんです。この曲の美しさに惹かれて譜面を見た途端、みんな度肝を抜かれます。この曲のメロディの一節は最初Emajから始まりフレーズのお終いはE♭majで終わります。同じフレーズが転調してD♭majで続きCmajで終わります。普通ではありえないとても奇妙なコード進行です。
【この曲をバンドでやってみたが...】
ドラマーがリーダーのバンドでこの曲をやろうよという話が持ち上がりました。ドラマーはコード進行と格闘する必要はありません。彼曰く、「だってこの曲良い曲ジャン。」。「そりゃあそうだけどね。」とにかくやってみることにしましたが、結果は惨憺たるもので僕もサックスの人も白旗を上げました、「この曲でアドリブはできねえよ!」とほざいてしまいました。サックスの人がたまたま音源を持っていたのでみんなで「コン・アルマ」を聴くことにしました。聴いてみるとピアノは多分ピーターソン。聴いた後、僕もサックスの人も頭をうな垂れ、「アドリブができないなどとほざいてごめんなさい。」とつぶやきました。練習すればこんな風に素晴らしく弾けるんですね、この曲でも。
【アドリブが取れない曲】
この「コン・アルマ」もアドリブを縦横無人に弾くのは至難の技ですが他にもできない曲があります。コルトレーンの作った「ジャイアント・ステップス」などもその部類です。こういう難曲を猛練習してストレスなくアドリブが取れるようになったら「何でも来い。」と言えるようになるのかも知れませんね。
【ディージー・ガレスピー】
カエルのような奇妙に膨らんだ頬、上に折れ曲がった変なトランペットなど沢山トレードマークを持っているジャズ・トランペッターのディージー・ガレスピー。この難曲を作った本人です。凄いなあと感心してしまいます。バップを作った偉人でもあります。格好良い!僕もディージーみたいなミュージシャンになりたいと思ってしまいます。
【難曲を作ってみたい憧れ】
僕はオリジナル・ソングとか作っているのでこういう曲に遭遇すると僕も変わった曲を作ってみたいという願望が芽生えます。でも、こういう曲はコンセプトが大事。いいアイデアが沸いたら作ってみたいと思います。今日はこれでおしまい。
では、また明晩お会いしましょう。
[関連情報]
作曲:Dizzy Gillespie