コンファメーション(Confirmation) ライナーノーツ | Dreamy カバーソング |
天才サックス・プレイヤー チャーリー・パーカーが作ったジャズのスタンダード・ナンバー。 |
![]() | この曲は天才ジャズ・プレイヤー チャーリー・パーカーが作った歌というよりは楽器でアドリブをするために作られた曲といってもいいと思います。そういう精神で作られているためかなり変な、いやもといオリジナリティ溢れたメロディになっていてあまりジャズを聴かない人には何かへんちくりんな曲だなという印象をもたれるかも知れません。なにしろ天才が作った曲ですからねえ、ぶっ飛んでます。ボーカリストの立場からするとちょっと歌には相応しくないと誰もが思うのが普通です。 |
ところがですよ、この曲を歌でやってみようという物好き、いやもとい意欲的なチャレンジャーが現れました。誰かと言うと僕の大好きなマンハッタン・トランスファなんですね。それもこの複雑怪奇なメロディに歌詞を付けてさらに4声のハーモニーを付けて歌っているんですね。この曲はちょっと早めの4ビートで演奏されますがマンハッタン・トランスファも楽器で演奏されるのとほぼ同じ速度で歌っています。ここまで書くと実験的な試みなのだからできはイマイチだろうと考えた貴方。聴いてくださいよ。これが完璧なハーモニーで歌ってしまうのです。さらに2コーラス目からはこの曲の歌詞を作ったジョン・ヘンドリクスが見事なスキャットを披露するおまけ付きです。実に楽しめる曲に仕上がっているんです。 若い頃この曲を聴いていつものように僕も真似して歌いたいと思い一緒に歌ってみましたがこれはかなり努力しないとうまく歌えません。早口言葉の要領で歌わないと舌が回らないんですね。そればかりか先に書いたように複雑怪奇なメロディです。歌詞なしでスキャットで歌ったとしても音程を正確に歌うことはかなり難しいです。その当時はどうせ歌えるようになっても4声のコーラスができる人を集められる訳でもなし、そのうち段々忘れて暫く時が経ちました。ところが最近再びこの曲に注目することになります。 どうしてかというとDreamyというデュエットのグループで活動しているのですがその片割れがジャズ・ボーカリストのfukumiで最近彼女がこの曲をレパートリーにしようと練習していることを知りました。それならDreamyでもやってみようということになり譜面を作り始めたという訳です。Dreamyはデュエットなのでメロディとそれに付随するセカンド・パートを作れば譜面が出来上がるのですが僕のパートであるセカンド・パートを歌ってみて驚きました。リード・パートなしのセカンド・パートだけで歌ってみても音が取れないところが一杯ある。ちょっとショックでした。今まではセカンド・パートを歌ってみると何となくどう音を取ればいいのか納得できるのですが何でこんな音列になるのだろうと首をかしげてしまうのですよ。これでもそういう感覚はいいほうだと思っていたのでちょっとショックを感じました。2声でこの調子です。マンハッタン・トランスファは4声です。一番低い4声目の音列はどう歌っているんだろうと想像するとマンハッタン・トランスファの歌の実力の高さに空恐ろしさを感じます。 Dreamyのレパートリーにしようとした場合課題はもう2つあります。1つがこの速度でピアノ1台でどう伴奏するかということ。バラードや遅いミディアムテンポならピアノ11台でも何とかなりそうです。が、この速さで一人でセカンド・パートを歌いながらまともな伴奏をしようと思うとちょっと辛いと思うわけです。実際ベース、ドラムスが欲しいところですがDreamyのコンセプトでピアノ1台あればどこでもDreamyできちゃう音作りをしようというのがあります。実はfukumiはクラシックの先生が出来るほどのピアノの腕前の持ち主です。この才能をほっておく手はありません。で、今僕が提案しているのが連弾で伴奏できるようにしようというアイデアです。4つ手があればなんとかまともな伴奏ができるのではと思う訳です。ちょっと時間はかかると思いますがこのコンセプトはあまりやっている人もいないと思うので地道に実現に向けて努力したいなあと思っています。 もう1つの課題がスキャットです。マンハッタン・トランスファのオリジナルを聴いたことのある人ならこの曲をやり始めてすぐにあのゴキゲンなジョン・ヘンドリクスのソロを思い出し同じようなスキャットが聴けることを多分期待するのではないでしょうか?その期待に答えねばこの曲を演奏する魅力が半減します。このテンポはアドリブするには最適でスキャットをうまく歌えれば拍手喝采は間違いありません。が、僕もfukumiもスキャットはいままであまり経験がなくちょっと練習が必要です。エラ・フィッツジェラルドまでは無理にしても軽快にこの速度でスキャットできたらなあと夢が広がります。 この曲は大好きなのでDreamyでやってみるほかに銀座パナシェのTuesdayGangでもやってみるつもりです。さて、どうなりますことやら。無事レパートリーとしてものにできるよう頑張りたいと思います。 。 |